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5 まさかの初生放送

「ただいま〜」

「「優っ!!」」


家に帰った途端、奥からママとねぇねが来て、僕を抱きしめた。


「心配したんだから…」

「…優。学園で何かあったの?」

「脱がされた」

「「…」」


…どうして固まったの?


僕は首を傾げながら靴を脱い…


あれ?紐が絡まっちゃった。…にぃにの真似して紐靴買うんじゃなかった…。


「優。脱げないのね?」

「…」

「…さすがに紐靴は早すぎよ。テープのやつにしなさい」

「だって!!…紐靴かっこいいし…にぃにと一緒だし…」

「紐踏んで転ぶわよ?」


…痛いのは嫌。でも…見た目…。


「さ。撮影するわよ〜」

「…ねぇね。女の子じゃないよね?」

「違う違う」


…女の子じゃないならいいや。


僕はねぇねについて撮影用の部屋に入った。


「あ。今日はカメラと別にパソコンも置くからね。そこにコメントが表示されていくからちゃんと見るように」

「…コメント?」

「生放送するの」


生放送?…あの…テレビでLIVEって書いてあるやつ?


「優。最終確認するわよ。あなたの名前は?」

「ミユ」

「一人称は?」

「…ボクのままじゃダメ?」

「まぁ…いいわ。よし。やるわよ」

「あ。今日は何すればいいの?」

「そこのソファーに座って視聴者の人とお話するだけよ」


ねぇねは部屋にある3人がけのソファーを指さした。


…ぬいぐるみが座ってるよ?先客がいるよ?


「ねぇね。座れないよ。ぬいぐるみがいる」

「ぬいぐるみの一体を優の膝に乗せるの」


あ。そうすればいいんだ。


僕はねぇねに言われた通りソファーに座った。


「…スタート」



「え…えっと。こんにちは…?」


>生放送キタ━(゜∀゜)━!!

>ミユー!!


「はい。ミユです」


>歌って!!踊って!!


「え…えっと…あの…お話…じゃないの?」


あ。ねぇねが紙出してる。


「…"曲の準備はするから大丈夫よ"…じゃあ歌うね」


歌い終わった。


「ど…どうだった?」


>お母様…生んでくださりありがとうございます

>天使…降臨…

>もう俺死んでもいい…

>我が人生に一遍の悔いなし…


「えへへ…歌うの楽しいよね。ボク、歌うの大好き」


>将来は歌手志望かな?


「…歌手?ううん。パパみたいな『えりーと』になるの。パパはいつも海外に行っちゃうけど…お正月とかボクのお誕生日とかは帰ってきてくれるんだよ」


>うむ。この子はいい子に育つ!!

>今からミユに投資してぇぇ!!

>誰か…!!誰かファンクラブの発足を!!


「ファンクラブ?あれ?ねぇね…作ったって言ってなかった?」


なんか…"ブログ作ったよ"ってパソコンを見せられた気がする。


「…作ってあるって。入会金いるんだって。…あんまり高くしちゃダメだよ?」


>よし。都合のいいATMになろうじゃないか

>皆の者!!銀行へ急げ〜!!


「え!?お金は大事にしなきゃダメだよ!?」


>大丈夫だっ!!ミユ預金があるさ!!

>え?お前も作ってんの?

>やっぱ作るよな

>俺貯金額1000万超えたぜ

>やべ…最近銀行行ってねぇ

>確認しないとまずいよな…


「ミユよきん?お金は大事だよ…ボク…ママにお小遣いもらっても全部ママに預けてるもん。自分で持っててもあんまり使わないからね」


>ミユ…いい子


「あ。母の日とか父の日とかクリスマスとかは貯金したお金を使ったりママのお手伝いしてお金を貯めてるの」


>…ママさんパパさん最高の娘だな

>あぁ…俺もミユみたいな娘が欲しいぜ

>いやそのためには結婚しろやw

>俺も独身〜♪ミユ以外に目がいかねぇ

>俺も

>ミユは好きな子いんの?


「ボク?…ボクはね。ママでしょ…パパでしょ…にぃにやねぇねも好きだし…近所のおばさん達も好きだし…動画を見てくれる人も好き。皆大好きっ!!」


>…うん。天使

>俺…ちょっと逝ってくる


「逝っちゃダメ…命は大切にして…」


>およ?逝くの意味を知っているとは…ミユ天才!!

>まぁ俺らは別の意味だけどな

>よし。俺明日会社休もう

>俺も…と言いたいところだけど。ミユのために金を稼がなくては!!

>あぁ…それな

>…仕事は増やせねぇよな。ミユの動画が見られなくなる


「体も大事にして!!むぅ…皆ボクの動画ばっかり見てないでちゃんとお仕事してね?」


>する!!

>あ。俺この前部長にミユのこと勧めたら部長もハマっとったw

>そこも?俺も

>ミユって誰にでも好かれるよな

>俺昼休みに見てるし


「昼休み…」


>ん?どうした?


「…ううん。ちょっとやなこと思い出しただけ…」


僕はぬいぐるみを抱きしめ小さく丸まった。


>やなこと?


「うん…にぃににお届けものしたら迷っちゃったの」


>それは災難

>くぅ…その場にいたらミユを助けられたのに!!

>縮め!!俺の身長アンド年齢!!


「それは無理だと思うよ?」

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