30 ボク、自覚しました。
〜優視点〜
僕は診察のためにかかりつけの病院に来ていた。
「はいきのーのていか?」
「肺機能ね。…優くん最近無理し過ぎ。命に関わるようなものじゃないけど…自分で体弱いってこと自覚してる?」
「してるよ?体育はやってないしこの前も応援だけしてた」
「…で、熱出して倒れたと?…興奮するのがダメなのか、場の雰囲気か…大勢人がいたから?…考えられる原因が多すぎるな」
先生は僕の頭を撫でながらカルテを見た。
「…まぁ加減ができるようになっただけマシか。優くん薬は?飲んでる?」
…あ。
「その顔は飲んでないね?」
「…おうちに置いてっちゃったの…」
「そういう時は郵便を利用する!!毎週帰ってるのに気づかなかったの?」
「…おうち帰ると楽しくて忘れちゃって…いつも帰りはにぃにがおんぶしてくれるから寝ちゃうし…」
「…甘やかしすぎるなって言っといた方がいいかな。今日からはちゃんと飲むんだよ」
「はぁい」
「じゃあ熱冷ましと…テープは?まだある?」
「あとね、5枚くらいあるよ」
「じゃあ5枚追加で。苦しくなったらすぐ呼吸器使って周りの人に助けを求める。いいね?」
「わかった!!」
あのね、倒れた時からいつも誰かがそばにいるの。大翔くんだったりにぃにだったり…。まーくんも姫委員のお仕事の時は一緒にいてくれるんだって。
「…今日はお兄さんいないんだね」
「うん。外で待ってるって。買いに行く物があるって言ってた」
ノートかな?…ボクの分はいっぱいあるからあげるのに。
「…すぐに外に出したらまずいよな…優くん。隣の部屋で待っててくれる?」
「え?ボク1人で帰れるよ?」
「待ってて。いいね?」
「はぁい…」
僕は看護師さんに案内されてとぼとぼと隣の部屋へ入った。
「…ボクってそんなに頼りないのかな」
ボクだってにぃにの弟でパパの息子だもん!!『えりーと』になるんだもん!!あ、でも『えりーと』になるには注射して体強くしないといけないんだよね。…ボク注射嫌い。でもパパみたいになりたい…。
「…大人しくしてお薬飲んで過ごしてれば元気なる?…にぃにみたいに、パパみたいになれるかな」
体強くするには何がいいんだろう。運動かな?でもボク走っちゃダメって言われたし…筋トレ…かな?
僕は早速置かれていたベッドの上に寝転んだ。
「ふみっ!!」
…ぷるぷるとしかしなかった。腹筋1回も出来ない状況に僕は物凄く焦った。
ボクってもしかしてすごくできない子なの!?お勉強だけしてちゃダメなんだね…。




