23 おちゅーしゃもおくすりもやっ!!
「嫌です」
「優くん。ちくっとするだけだから」
「嫌です」
「優。それぐらい大人しくやりなよ」
「嫌!!ボク注射嫌い!!」
僕はにぃにとママに拉致…連れられて来たいつもの病院でママに抱きついていやいやと首を振っていた。
「…優。検査のためだから」
「嫌!!」
「大翔くんとめいっぱい遊ぶんでしょ?」
「遊びたい!!検査したら遊べる?」
「…どうかな。優くんがじっと我慢してちゃんとお薬も飲むようになったら治るかもね」
…薬飲むの?今までは吸入器だけだったのに?
僕は先生の方を向いて眉を下げた。
「おくすりやだ…」
「優くんは粉薬苦手なんだっけ。錠剤飲める?」
「…おくすりやだ」
「困ったなぁ…粉薬か錠剤かどちらか選んで?」
…粉薬は口の中に引っ付くし錠剤は喉に詰まったような感じがするし…。どっちもやだ。
「にぃに。ボク大人しくする。ちゃんと体調悪くなったらにぃにに言う。だからおくすり飲まなくてもいい…?」
「ダメ。先生の言うことちゃんと聞く」
しょぼん…と僕の眉はさらに下がった。
「うぅ…錠剤にする…おくすりやだぁ…」
「お薬飲めたら褒めてあげるよ?」
「…がんばる!!」
「じゃあ注射も頑張ろうね」
「そっちは嫌!!」
僕がそう言うと部屋にいた皆が苦笑した。
「にぃに。おうち帰ろ?」
「注射が終わったらね」
「優。上手に注射受けられたら何か買ってあげるわ」
「…ママはいつも何か買ってくれるもん」
「ちょっと母さん?」
「…ごめんなさい。優が可愛くてつい…」
でもケーキとかお菓子ばっかりだったな…。ボク本が欲しい。にぃにが持ってない本。
僕は腕を引っ込めた。
「…ねむい」
「優。昨日あんまり寝られなかった?」
「久しぶりにおうちに帰ってきたものね」
「だからおうち帰って寝る」
「言い訳にしない」
む〜と唸っても誰も僕の味方にはなってくれなさそうだ。
「…はい。じゃあちくっとしますよ」
僕が唸っている間にいつの間にか先生が腕を掴んでいた。
「にぃにがちゃんとそばに居るから注射しようね」
「…ぅ…」
僕は覚悟を決めて…にぃにに抱きついた。
「やっぱり怖い!!見たくない!!」




