20 体育見学です。
「優くん。そろそろ休も?」
「え?まだ大丈夫だよ?」
「…優くんの大丈夫は信用できないから。ね?僕も隣にいるから」
「…うん」
ボクが想像してる以上に心配させちゃったんだな…ごめんね。大翔くん。
僕達は壁の方へ行き、壁に背中を預けて座った。
「…もうちょっと体力つけたいな。ぜんそくだって頑張れば治るよね…治ったら…大翔くん。一緒に遊んでくれる?」
「うん。治ったらじゃなくて今も優くんの体力が許す限り一緒に遊ぼう」
…大翔くんっ!!
僕は抱きつこうとして…ぴたっと止まった。
…ボク小学生になったんだった。友達にぎゅーは子供っぽいかな?にぃにやねぇねは何も言わないしママやパパは今でもぎゅーってしてくれるし…。
「…優くん。どうしたの?」
「…ぎゅーしたい。ダメ?」
「いいよ」
大翔くんの胸に飛び込むと…逆に抱きしめられてしまった。
むぅ…ボクがぎゅーするつもりだったのに。
「…決めた」
「うん?」
「ボク、おっきくなる!!大翔くんよりも大きくなる!!」
「…なるといいね」
…大翔くん…今クラスの中で1番身長おっきいもんね。ボク?ボクは…1番チビなの。毎日牛乳飲んでストレッチして早く寝てるのに!!どうして?にぃにが『せいちょーほるもんが1番よく出る時間に熟睡してるといいよ』って言ってたからその時間は寝てるようにしてるのに!!
「…大翔くん。なでなでするのやめて。ボクちっちゃくないもん」
「ごめんね」
それでも大翔くんはなでなでをやめてくれなかった。
むにゅぅ…でもちょっと嬉しい。
「…暇だなぁ」
「もうちょっと元気になったら出来るから体調管理頑張ろうね?」
「うん。頑張る。大翔くんと遊ぶために」
「…目的がそれでいいの?」
…何が?ねぇねの動画で歌を歌ってる時は倒れたりしないし息切れもあんまりしないよ?ダンスはちょっと厳しい時もあるけど…思いっきり走り回ったりしなければ大丈夫だから。今のボクの目標は大翔くんと思いっきり遊ぶこと!!
「…あ。先生呼んでるからちょっと行ってくるね」
待っててね、と大翔くんはみんなの方へ行ってしまった。
…1人…ぼっち。…ちょっとトイレ…。
僕はすぐ横にあった出口から体育館を出た。
あれ?なんでボク外に出たんだろ?…まぁいっか。ついでにタオル取ってくる!!




