78話、外堀がなくなる恐怖、闇から来る絶望の足音(ベイル視点)
焚き火、ずっと俺の筋肉を触りながら寄り添うエラーラ
相変わらずのレンとフレイル、げっそりしてるノルクスさんを見ながら思う、何故こうなっている?思い出そう
まず船の上までの出来事だ
ノルクス様に呼ばれた時は焦った、護衛を頼まれたおかげで俺たちの平穏が無くなったし
港までは黒十字騎士団が居たが俺たちは場違いでしかなかった
騎士団と別れて、5人でブルーポートから船に乗って
まずは歓迎会をした、どんな人だろうと夕食をかこんだ
レンにはいいお姉さん、フレイルには魔法の知識でちゃんと受け答えしたり
ノルクスさんにも恐れずに優しい空気で会話する
あれ、普通に良い人では?
気を取り直して室内で筋トレして限界まで筋肉をいじめていたらエラーラがすぐに筋肉の断裂を治して
「まだ動かせますね、頑張って」
なんていうから意地になって頑張ったら汗を舐めようとしてくるし
もしかしたら普通の皮を被った危ない女性なのでは?
何故か触るたびに呼吸荒くなってるし、俺の筋肉と比例してるのか?
飲み物を取りに行く為に部屋から出たらレンとフレイルとバッタリあったらあったで
「ねぇ、結婚するなら合同にしよっか?」
「エラーラさんの惚気すごいな、ベイルが他の人に見せない顔をするとか俺に何も言えないな?」
俺は今、外堀を埋められていた事実に恐怖を感じてしまっている
「どうしたのですか?」
「いや、なんでもない」
ちくしょう、フレイルの質問に違うと断ろうにもエラーラさんは見た目も本当にドストライクなんだよ
普段の性格もかなり好みだが、俺の前ではおかしくなる
...おかしいな、ほだされてる?
まぁ下手に考えなくても良いか!
そしてびっくりしたのがノルクスさんがローポニーテールに髪を結び、服装は白を基調とした魔法使いの服になっていたからだ
まぁ、あんな重装服で毎回入られても困るからよかった!
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そして今、ノルクスさんに言われた最後の支部にいた魔物を倒したが...
大変だった
見た事ない獣が檻の中にいたし、俺よりでかい獣がいたりしたがフレイルとノルクスさんのおかげで大型は苦戦しなかった
更にちょっとの怪我はエラーラが治してくれるから安定してる
レンが偵察してくれて、食事が終わり
森で焚き火をしてるが、何故か毎夜毎夜日を追うごとにノルクスさんの目が死んでるんだよな
俺の横にはエラーラ、レンとフレイルは言わずもがな
リーダーとして聞いとくか
「ノルクスさん、元気が無いな?」
俺の一言が地雷だったのか睨みつけるように叫び出した
「当たり前でしょう!?」
「あんた達のいちゃつきを毎回見せられる私の身にもなりなさい!」
うん、わかるぞ!毎回いちゃつきを見せられた挙句に一人でいるのはきついよな
「気持ちはわかるぞ、俺だって三人の時はその気持ちだった」
「今は?」
「エラーラがいる」
「あら、嬉しい事言ってくれますね?」
「当たり前だ、フリーなら好いてくれる人を好きになる努力や見合う男にならないとな」
腕で包んだら、エラーラが幸せの顔をしたのを見て幸せを噛み締めてたら、
ノルクスさんには火に油だった
「もう甘いものはいらない!私の身が持たない!」
「それは、ごめん」
「ごめんね?」
フレイルに抱きつくレンが謝っても説得力ないんだよ?
「私も恋人欲しい!」
あぁ、本当に俺もこんな感じだったな
ピシッ
そんな事考えてたら、空気が変わった
直感が、後頭部がピリピリする
何か、森から来る
「エラーラ、少し離れて」
「どうされま、わかりました」
俺の警戒を見たエラーラさんも気配を察して構えた
レンも飛び起きるように、異質な感覚がある方を睨む
ノルクスも、周りを見て気づいたのか構えた
全員が構えた、来るならこいと言いたいが
なんだ、この本能が逃げろという感覚、足元を掬われるような
「ふふっ...あはは」
森から、白っぽい既視感のある女性がこちらに来る
何処だ?何処で見た?
「セレン?」
ゆらり、ゆらりと見た目に不釣り合いの真っ赤な剣を引き摺りながら女性が力を抜いて歩いてきてる
セレンという単語でわかった、アーキ殿達との洞窟で見た闇の精霊だ
闇の精霊を人間にしたらこうなるんだろうなって姿をしてるな
真っ赤な剣が、濡れ出した?
「マズイ!みんな木の後ろに隠れて!」
ノルクスさんの叫びに思わず近くの木に隠れる瞬間に見えた
女性が剣を振ると同時にこちらに赤い液が飛び散った
木や草木に赤い液が当たると、煙が上がり
よく見ると、穴が空いていた
「ノルクス、あれはなんだ!?」
「私の知り合いです!」
「彼女の自我は剣に支配されてますから剣を離してください!」
木に隠れたノルクスが教えてくれたが、だからあんなに動きがおかしいのか
「赤い液には絶対当たらないでください!あれは鉄すら溶かしますよ!」
雨をどう避けるかみたいなことを言うんじゃない、くそっ!
絶対と絶望の戦いが、始まった




