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俺の呼び笛と君の呼び笛  作者: アルフレイム
闇に堕ちた魂
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70話、2日目、あの時に選んだ理由

朝になったセレンが水と食事を摂る

食事が終わって、いつものように走ると

気になったことができた、急いでるなら横になる必要があったのか?


気になった疑問を聞いてみるか


「セレン、タイムリミットはいつだ?」


「なぜ、そんな事を?」


「セレンの考えてるタイムリミットと、俺が走るタイムリミットは違うはずだ。じゃなきゃ夜は横になって眠らない」


「...鋭いですね」


「まぁ、これだけ過ごしていたらな」


「正直言うと、あまり変わらないので4日以内についたら問題はないですよ」


「4日を過ぎたらどうなるんだ?」


「シンアとミアリスさんが雲隠れして行方がわからなくなります」


「それは、やばいな」


「まぁ、間に合いますから安心してください」


「そうか...なぁ、セレン」


「何ですか?」


「聞きたいことがある」


「どうぞ」


「セラスで、どちらが選ばないといけない出来事があった」


セレンが背中で少し動いた。聞いてる


「どんな選択ですか?」


「妊婦と子供のどちらか、セレンならどちらを選ぶ?」


「んー、難しいですね」


「何故だ」


「私は闇の聖女の性質上、どちらも選べませんし」


「選べる力はありません」


「アーキさんは、満足のいく選択じゃなかったのですか?」


「満足はしてない、後悔しないようにしてるだけだ」


「何故、満足してないのですか?」


「もっといい方法は無かったのかと考えてしまうんだ」


「あったかも知れませんが、その時は最良の選択だったはずですよ」


「どちらをアーキさんは選んだのですか?」


「妊婦、子供を見捨てた」


「ふむ、なるほど」


「どうした?」


「アーキさんらしいなと」


「どういうことだ?」


「教えません、ですが」


「何故、妊婦を選んだか自分でわかりますか?」


「無意識だった」


「無意識でも、意識しても変わりませんよ」


どういう事だ?


「アーキさんを見ていた私ならわかりますが、意識してようと無意識でも妊婦を選んでますよ」


「何故わかるんだ」


「それは私が言うことじゃないです」


「わかってるなら教えろ」


「教えたらあなたの答えにならないでしょう?」


走りながら考える。なぜ妊婦を選んだ


あの瞬間、左を見た時に何かが重なった。妊婦の姿に、何かが


「ヒントをあげましょうか」


「欲しいな」


「人を助けるのに必要なのは自分の物差しです。あとは自分で考えなさい」


足が止まりかけた


「すぐに答えに辿り着きますよ」


「そうか、わかった」


自分の物差しか、あの時に誰が浮かんだ

あの時は、たしか妊娠したミアリスが浮かんだ


なら子供は?


子供親のいない子供。守ってくれる大人がいない子供

まるで、俺に近いような


俺?


無意識に妊婦にミアリスを重ねたから未来を見て、過去を見て、過去を切り捨てる為に子供を見捨てた?


足が完全に止まった


だから子供がゾンビになった時、動けなかった。

あの時に言ったごめんは、子供にも言ったが

自分にも言った?


証拠に夜になった時、過去の自分も一緒に出てきて見捨てたと言ったのか?


小さい俺に見えたのは、そういう事か


「答えが出た、だがもしそうなら」


「後悔はしてないが反吐が出る」


「どういう事ですか?」


「俺の物差しで助ける人を選んだ」


「結局、この選択は誰かを助けるのでは無くて」


「自分が救われたい選択だ」


「だが、後悔したら助けた妊婦への裏切りだ」


「でも、子供を見捨てた事実は消えない」


「した事を忘れないが、やった事はダグスと変わらない気がした」


「それでも、あなたは正しい」


「正しくなんかない」


「正しくないのに後悔しない、忘れない。それが正しいと言ってるんです」


セレンの声が穏やかだった


「誰もが、未来を選ぶのです。ダグスは手法を間違えただけですよ」


「あなたも、過去ではなく未来を選べる人間になった。その選択はミアリスさんが隣にいたからです」


「でも、ダグスには誰もいなかった。」


「未来を選ぶということは、過去を見捨てるということでもある」


「その矛盾を抱えたまま生きるのが人間なのですよ」


「...セレンは重い事を軽く言うな」


「軽くないと潰れるでしょう?」


「違いない」


「それにですね、私はアーキさんが羨ましい」


「私には、そうやって悩むのすらできずに」


「友を見捨てましたから」


「友?」


「いえ、何もありませんよ」


気にせず走り出す。足が少し軽くなった気がした


答えが出たわけじゃない。でも自分が何をしたのか、わかった


だが、この先に答えはある。


俺は未来を選んだ。ミアリスという未来を


だからミアリスを取り戻す。俺が選んだ未来だ


この血に塗れた手で、ミアリスの手を握る資格はあるのか?


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