6話、初めての連携
討伐依頼に書いてあった動物の出没地点は街から一時間ほど歩いた森の奥だった。
依頼内容は熊の間引き、必ず狩ってほしいとのこと
俺は前を歩いている。ミアリスさんは少し後ろ。お互い無言だ。
別にそれでいい。仕事をこなして報酬を分ければそれで終わりだ。一時的に組んだだけで仲間でも何でもない。じゃないと別れた時に悲しくなる
「…熊、いるの?」
ミアリスさんが突然口を開く。正直言って痕跡を探さないとわからないからなぁ
俺は周囲を見渡す。草の踏み荒らし方をみたら足跡あり、木の引っ掻き傷あった、獣の匂い。
右側に熊が居そうだな
その時、確認のために周囲を見ているとミアリスさんの左目の色が微かに変わっている。灰色の方がほんの一瞬、虹色がかって見える。だがすぐに元に戻る。
ミアリスさんは何も気づいていない。ただ右側が気になるようで視線を動かしている。
俺も右側に居るのはわかる、距離はちょい先くらいかな
「右。ちょっと先の茂みの中にいる」
「…どうやってわかったの?」
小声でお互い話す、自然と距離が近くなっていたが、今は気にしている場合じゃないのに甘い匂いがちょっと悪くないと感じた
「動物の足跡とか傷をみたりする斥候の仕事だから、俺は右側から投擲するからミアリスさんは魔法の準備して」
目の色のことについては聞かないことにした。気のせいかもしれないし、聞いたところでミアリスさんが答えるとも思えない。
茂みに近づく。俺が先行して陽動する。ミアリスさんが後方から魔法で仕留める。役割分担はできた
熊が後ろを向いた瞬間、俺は腰に付けた短刀を投げる、クマは急に足に刺さってびっくりして立ち上がった
ミアリスさんが火の魔法を放つ。初期魔法だが狙いは正確みたいで顔に当たったから四つ足になって顔についた火を両手で拭いている
その隙に俺はショートブレイドで下から顎から脳天まで突き刺さした
熊は沈黙。倒すまでかなり早かった
「…連携、悪くなかったな」
俺がぼそりと言う。
ミアリスさんは何も言わない。ただ視線を逸らして、小さく鼻を鳴らす。
否定はしない。
ふとミアリスさんの視線が俺の剣に向く。
「…その剣、欠けてるわね」
「昨日のやつで少し。まあ使えるから問題ない」
「…戦いにくくなかった?」
「なかったとは言えないが今日は大丈夫だった」
ミアリスさんが少し黙る。が仕方ない、俺の剣だしな
「…修理した方がいい。欠けたまま使い続けると折れる」
「わかってる」
「…わかってるなら修理しなさい」
金があったらしてるよ、。
「金がかかるんだよ」
ミアリスさんが何か言いかけて止まる。結局何も言わなかった。
でもその後しばらく、ちらちらと俺の剣を見ていた気がする。
もしかしたら足すかもしれません




