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俺の呼び笛と君の呼び笛  作者: アルフレイム
裏で動く不穏な影
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43話、過去と旅の目標

「いいこと思いついた」

ミアが両手を合わせて、目を輝かせてる


「デートしよ!」

「街に住んでる形の?」

「そう!してみたかったの」


ミアが俺の腕を引っ張る。引っ張り方が嬉しそうだ

「やろう、新鮮だね」

「なんか、服が違うだけで変な気分だね」


冒険者じゃなくて、ただの男女がディープウッドの街を歩いてる。不思議な感覚だ


「そうだね、ん?」

「ねぇ、彼女さん。よければこの後」


いきなり声をかけてきた男がミアに近づく。反射的にミアの前に出た


「俺の恋人ですから」


自分でも驚くくらい低い声が出た。男がたじろぐ

「ちっ、彼氏持ちか」

男が去った後、ミアがこちらを見てる

「モテるな」

「そうね、私は可愛いから」


ミアが髪をかき上げながら言う。プライドの女王の片鱗が見えた


「むっ、、」

なんか、もやっとした


「あれ?嫉妬した?」

「嫉妬した」


素直に言った。レンに言われたからな、嫌われる勇気を持てと

「じゃあどこか行かないよう手を離さないで」

ミアが手を差し出してきた

「わかった、けど」


ミアの手を握る。小さくて温かい

「死んでも離さないからな?」

「だから急に男らしくなるのやめて!」


ミアが繋いだ手を振り回してるが、離そうとはしてない


「あ、花屋だ」

ミアが足を止めた。色とりどりの花が店先に並んでる


「色んな花があるね」

「ねぇ、綺麗だよね」


「なんでこっちをみないの?」

ミアが花じゃなくて俺を見てる。この流れは、あれだろ


「わかってるだろ?」

「口に出さないと分かりませーん」

舌を出すミアに、観念するか


「ミアと花が似合って可愛かった」

「予想してたのと違うけど悪くないわ」


ミアの左目が金色だ。予想と違った?

「何を予想したの?」


「言わないわよ、正解出したら教えてあげる」

ミアが花の香りを嗅ぎながら笑ってる。正解はなんだ?まさかキスを求めた?


「馬鹿ね、人前でそんな事しないわよ」

俺の顔に出てたのか、考え込んでるのがバレたらしい。ミアが呆れた顔で笑ってる


公園のベンチに座った。街が夕日に染まり始めてる

「ねぇ、してみたい事があるんだけど」

「私、アキに膝枕したい」

「どう?」

ミアが自分の太ももを叩いた

「悪くない」

「悪くないって事は?」

ミアが答えずに俺の頭を引っ張って太ももに乗せた。強引だな。でも柔らかくて温かい

見上げると、ミアが俺を見下ろしてる。夕日を背にしたミアの顔が眩しい。左目が金色に光ってる

「ミア、可愛い」

「上から見るアキも、悪くないわね」

ミアの手が俺の髪を撫で始めた。心地いい。このまま寝てしまいそうだ


「ずっと、こんな生活に憧れてたんだよね」

ミアが俺の頭を撫でながら空を見て呟いた。声が柔らかい


「そうなのか」


「昔は、親や学校から勉強しろと言われてそれが全てだった」


「冒険者になったあともそれはかわらなかった」

ミアの目が少し遠くなる。今のミアじゃない、昔のミアを見てる目だ


「魔法こそが全てって感覚、かな」


「だから、私は、、、クリムオースを追放され、残ったのはプライドの女王ってあだ名だけ」


「今は、、ただのミアよ」

俺の顔の上で笑うミアの顔は、寂しそうなのに穏やかだ


「そっか、俺は親の言うことを聞いたら裏目にでて嫌われた」


「他にもアドバイスくれた人は何人もいた」


「だが、全部やって裏目になった」

言葉にすると、案外軽く出てくるもんだな。ミアの前だからかもしれない


「初恋の人にあなたの顔と自我は面白くないと言われた」


「自我を出さなくなって、クレストを追放された」

ミアが俺の頬に手を伸ばした。何も言わずに、ただ触れてる


「私達、ある意味似てるね」


「いい子過ぎた」


「本当にな」

お互いに苦笑いが出た。同じ種類の笑いだ


「私達の子はそうしたくないよね」

何気なく言ったミアの言葉に頭が追いつかない


「だな、って!」

子供?今、子供って言った?

跳ね起きそうになったが膝枕だから動けない


「うるさいこっちみるな」

ミアが俺の視界を手で遮ったが手が熱い。ミアの手が熱いのか俺の顔が熱いのかわからない


...待てよ?今すごい問題に気づいた


「ミア、大問題が発生した」

急に思いついて声を上げる


「何?」

ミアが身構えてる


「ミアは旅の目的はある?」

身構えてたのが拍子抜けしたのか、ミアが考え込んだ


「ない、わね、、アキはあるんじゃ?」


「ないんだ...」


「そうよね、ここが目標だったからね」


「ねぇ、ここに移住する?」

ミアが周りの街並みを見渡す。悪くない街だ


「それも良いが、世界を見て回るのも良いな」


「いいね、私達の最高の移住地を探そう!」

ミアが膝枕を辞めて、立ち上がって、両手を広げた。夕日を背にしたミアの笑顔がまぶしい


「旅の目的が決まったね!」

ミアが手を差し出してきた。握ると、さっきより力強い


二人で立ち上がって、夕日が沈んでいくディープウッドの街を見る。笛が胸元で揺れた


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