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俺の呼び笛と君の呼び笛  作者: アルフレイム
始まりと出会いの港町
3/19

2話、街についた、見捨てれない

何も考えず動いていたら潮風を感じる。そちらの方に吸われるように歩いたら街が見えてくる。


あの港町はタイズポートだな。クエストも魚とか採取が強いギルドらしい


検問されてる時に門兵に魚をとりに来たのかと言われて違うと答えたら、妙な顔をされた。

とりあえず広場に掲示板があるから見るといいといわれたので街の入口近くに賑やかな掲示板にむかった。情報収集は俺がしてた事だからな。癖になってる


掲示板にはこう書かれてた

生態系に害のある魚、スタンビートでイシッケが大量発生!だがこいつの天敵は人間!?


一夜干しにしても良し!焼いても煮ても絶品!あまりに多過ぎて加工場は昼夜24時間体制で人権は二の次になっている、なぜなら?


多過ぎてギルドは取り過ぎても持って行ったら半値で買ってくれるらしいからだ!


今お金が欲しいやつはギルドの依頼経由で取るのが最適解だ、とてつもない需要が起きてる!このゴールドラッシュならぬフィッシュラッシュを逃すな!


数が取れるからゴールドラッシュならぬフィッシュラッシュが起きているそうだ。


ふむ、沖に行かないといけないから俺には関係ないかな



掲示板の別の記事に目がいったら「有名パーティから追放された人が出た!プライドの女王が消えて空いた席の新規メンバーを募集中!」の見出しが目に入った瞬間、心臓が跳ねる。すぐさまフードを被る。自分のことのようで胸が痛い。


プライドの女王か、名前は聞いた事あるがそれだけだ。本名も知らないし


なんて考えながらギルドに行ったら納得した。

掲示板効果すごい。


これはもはや争奪戦を超えた大量にいる猿の争い

いや、これはゴリラの取り合いだわ。入れる気がしないし入れない


良い依頼は早い者勝ちだからわかるが理性が無い自制心無い、あるのは金と物欲と腕力の漁師と言う名のゴリラだけ。


普通の受付窓口はもはや大戦争だこれ、必死に捌くが間に合わないし依頼達成で受け取ったイシッケを運ぶクエストもあったり色んな人達もいたりてんてこまいだ


どうやらイシッケの依頼書は別に置いてるようで、別にちゃんと他の雑多な依頼があるようだ


あの人の少ない場所か


一応、周りの様子を確認しながら誰も気づいていないのを確かめてから一枚取り、新規・再登録者用の受付窓口の前に立って、俺が一人でも倒せる鹿の討伐依頼の紙を渡す。


「討伐依頼、これ受けたい」


いかにも仕事ができそうな受付係は一度確認をして書類に目を落としたまま答える。


「討伐依頼は安全規定により、二人以上でないと受理できませんが2人以上いますか?」


「一人じゃダメか」


「規定ですので」


受付の声は淡々としている。感情がない訳ではなく、ただ仕事に徹している目だ。これは魚関係じゃ無いから私仕事してますよ!だから応援は行けないって形にしてるのかな


まぁ俺には関係ないし仕方なく依頼の争奪戦外にある採取クエストの依頼書を一枚引き抜く。

ふむ、痺れ薬の原料になる草の採取か


「…じゃあこれで」


「ありがとうございます。お気をつけて」


最後まで淡々としてたな。


パンのいい匂いがする、屋台のパン屋さん


「美味しいパンはいかがかね!イシッケのサンドもあるよ!」


客はまだらだが匂いに釣られた。値段を見て絶句した


イシッケのサンドを買うと宿に泊まれなくなりそう


俺の今の予算でギリギリで買えるのは、蒸しパンと牛乳かぁ

今の俺にはありがたい。腹が減ったら食べよう


「蒸しパンとミルクを一つずつ」


「ありがとう、味は保証するよ!」


使い捨てるも使うも自由の蓋付きの木製コップに入ったミルク1杯、蒸しパン。これ外じゃ飲めないじゃねーか!


依頼で街を出るために、俺は街外れを通る。魔法の練習場の前を通りかかった時、地面に倒れている人影に気づく。


周りには何人かの魔法使いがいる。しかし誰も近づかない。誰も見ようとしない。そして関わらないように去っていく


「あんな魔法、見習いでも出せるぞ」

「魔法使いの名が泣くな」


おそらく練習が終わって帰るやつらが笑いながら離れていく。


なんとなく一瞬考えがとまり立ち止まる。関わる義理はない。見知らぬ他人だ。採取クエストをこなして路銀を稼がなければならない。




しかし視線と足が止まったまま




誰もいなくなった練習場に残されて取り残されたこの子に釘付けになった。まるで、俺みたいな感覚に陥いる


舌打ちが自然に出る。自然とその子に足が向かう自分の甘さが嫌になるが近づいたら女性からお腹の音か身をよじったから鳴ったのかわからない音が聞こえる。お節介かもだがもう止まらん。


荷物から野宿用の下敷きとパンと蓋を開けたミルクを取り出して倒れてる暗い赤髪の女の前に無言で置く。

パンとミルクは後で買えばいい。パンとミルクはいつでも買えるが今は買えない


しばらく経って、女がゆっくりと身を起こす。パンとミルクをじっと見つめて、顔を上げないまま掠れた声で小さく呟く。


「…食べていいの」


掠れてる、飲み食いしてなかったんだろうな


「…倒れてる奴に出したんだから当たり前だろ」


相手は顔も上げずに食べ始める。涙が頬を伝っているのが見える。俺は何も言わずにその場に座って、喉を詰まらせないか心配だったから食べ終わるのを待つ。


しばらくして食べ終わった女が落ち着く。

ゆっくりと身を起こして、顔を上げた。


髪でわからなかったが右目が髪色と同じで左目が銀色のオッドアイが印象的な女性。


目は腫れていたが可愛いな。食べていなかったのがわかる痩せ方をしている。第一印象はそれだけだ。


「…ありがとうございます。それだけ」

「別に」


ミルクとパンを渡したが後先考えてなかったから気まずい。俺まで緊張して会話を切り出せない。


重たい沈黙が流れる。



「次は倒れるなよ」


「はい」


それだけ言って俺は立ち上がってその場を離れる。

名前聞いてなかった。まぁ深く関わる気もなかったし助けるだけだったからいいか。

イシッケはホッケとイワシの良いとこ取りの魚と思ってください

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