17話、やつの毒は心を殺し、不穏
「古城の出入り口調査、ってのがあるんだが」
ミア、思いっきり首を横に振ったな。声も出すのも嫌か。
他の依頼を探しながら掲示板を見ていた時、ふと窓の外に目がいった。
街の外れに、誰かが立っている。白っぽい服を着た女性だ。こちらを見ている。目があった瞬間に口元が動いた
み つ け た
!?
「ミア、あそこ」
「え?」
ミアが振り返る。しかし次の瞬間、その人影は消えていた。
「、、何もいないけど」
「今、誰かいたんだが」
「気のせいじゃない?」
気のせいじゃない。確かにいた。ただ、不思議な感じだった。暖かい感じがした。
斥候の勘が告げる。あれは敵じゃない。だが怖い
「まあ、いいか」
掲示板を見たら亀の討伐があった、討伐方法は、首の根本を焼いて首を落とすか、顔を焼くか。火魔法と剣をつかえる人推奨
「亀か、戦いやすそうだね」
「うん、これなら私のまほっ、、」
ミアが急に俯いて言い淀んだ、バッグの紐を握りしめてる
ダグスの言葉を気にしてるのかもしれない
「大丈夫、あいつの言葉は気にするな」
「うん」
受付に、依頼書を持って行ったが。ミアは俯いたままで声が落ちてる
なんとかテンションを上げないと
「明日の戦闘に備えて消耗品を補充しておくか。」
「うん」
「包帯とか買っておくか」
「うん」
ミアの返事は短い。昨日より声が小さい。
更に落ち込んだようだ、まずい、どうしよう
(お前が落としたんだよ、なんでこのタイミングで包帯なんて出した)
無いからに決まってるからだろ
雑貨屋に入る。俺は包帯と短刀用の砥石を手に取る。ミアは少し離れた棚を見ている。
ふと、ミアの手元に目がいった。お店の新しいバッグを持ってる。値札を見て棚に戻した。
値段が高かったか。ミアのバッグを見たらぼろぼろだったから欲しいんだな
(本当に、他のやつとミアは違うのか?)
俺は何も言わずにそれも一緒に手に取る。
「これも要るだろ」
(本当に彼女はそれを求めてるのか?)
戻したバッグをミアに渡そうとしたら、ミアが一歩引いた。
「要らない」
「使うだろ」
「要らないから!」
短い返事だった。俺の手を見ていない。叫ぶような拒絶
、、なんで。昨日まで普通に受け取ってたのに。何か、俺がやらかしたか?
(ああ、最悪にな)
「わかった」
余計なことを言わずに棚に戻す。
「あっ、いや、、ごめん、、」
ミアが更に俯いた。
なんだろ、すごく、、胸が痛い
ギクシャクした空気のまま、俺たちは亀の討伐にきた
亀、でっかい、俺の身長以上ある
けど、動きは鈍く、首を切ればやれるし
ミアの火魔法があれば倒せる
俺たちは、最初から連携がうまくいってるから
大丈夫
「ミア、火魔法で相手の首の根本を焼ける?」
「うん」
「つっこんだら魔法任せた」
「わかった」
ミアが魔法を構えた
ちょうど亀が首を伸ばすように上に顔を上げてる
今だ!俺は突っ込む、あれ、おかしい
魔法が来ない!?
ミア!?何が!
ミアが必死に魔法を出そうとして出ないのをみてしまう、やはり明らかにいつものミアじゃない
仕方ない、俺が1人でするしか無い
焼かなくても切れろ!剣を突き刺したら刺さりはしたが皮膚が硬い、この剣じゃ無理か!
亀が首を縮めて殻に入れ出した、まずい
バキッ!
巻き込まれてショートブレイドが折れた、まずいと思い体勢を整えようとしたら
ミアのいた方から
炎がきてる、これは俺に直撃する。判断が止まってしまった
ダグスのやつ、まさかこうなるのを予測してあんな事を言ったのか?
ミア、、ごめん
その時に、俺の足に何かが当たり足元をすくった
スローモーションのように俺の真上を通り過ぎる炎、こけた衝撃でミアの方に向くと
ミアの心が壊れたような目をしてるように感じた
左目は原色の青色をしている
だが、ミア
まだ敵とダグスは死んで無い
撤退しなきゃ、早く起き上がれ!
ミアの炎は甲羅にあたり相手は無傷、俺はすぐに立ち上がりミアを呼ぶ
「ミア!」
こちらをみているが反応が無い、どうする?そうだ
俺は首にかけてた笛を思いっきり鳴らす
ミアがハッとした顔になった、急いでミアのとこに向かう
「立て直そう!隠れるぞ!」
「あ、いや、ごめんなさ」
言葉絶え絶えのミアを立たせて思わずしたのは抱きしめた、視線はちゃんと亀を警戒するように向くと、亀は首を引っ込めたままだ。攻撃手段がないのかもな、多分外敵が居なくなるまであの形だろうから警戒はしておこう抱きながら少し下がり視界から消す
ダグス、お前はどこから来る?必ず、殺す
周りを探すが人の気配が無い
周囲の警戒をしていると
胸に入ったミアが泣き出した、おそらく感情が決壊したのかな
「わた、あなた、わたしのせい」
ミアの呼吸も浅い、後頭部をポンポンしながらあやすように、ちゃんと立ち直れるように
「ミアのせいじゃないよ、大丈夫、俺は生きてる」
「あなたにあた、、あたり、、」
「当たってない」
「わた、またおなじしっぱい、ごめんな、ごめんなさい」
「わだし、がんばったの、すごいがんばったの」
胸に服の上から濡れと熱が伝わる
「うん、そうだね」
「ダグスのせいで意識しちゃっただけだよ」
「大丈夫、ミアは悪くない」
「ほら、俺の呼吸に合わせて深呼吸してみようか」
「うん」
「吸ってー、、、吐いてーー、、吸ってー」
必死にミアが俺の胸の膨らみに合わせるが呼吸が痙攣してるのがわかる。落ち着くまで、合わせよう。
「ミアは頑張り屋さんだからね、ちゃんと見ていたよ。今日はたまたまうまくいかなかっただけさ」
「それでも、わたし、あなたをころしそうに なった」
「わたし、まほうつかうの、やめる」
「 魔 、無 戒」
顔ぐちゃぐちゃになってるのがわかる、ミアが旅を辞めたら俺も辞めるのもありか
なんだ、今何かが聞こえたのににんしきできなかった
「それは勿体無いですよぉ、あなたの暴発の理由は至極簡単なんですからぁ」
気配が無かった、まるでいきなり出てきたように声がする
右側から聞こえた声の方を向いたら窓に立っていたあの白っぽい服を着た女性が微笑みながら立っていた




