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海を揺蕩う文の梁  作者: 文海マヤ
――2022――
94/205

仮題『彩りの朝』/『救わない物語』/『now』

ほら、アラームが鳴ってるよ。

童話は、お好き?

仮題『彩りの朝』


ブルーベリージャムと 柔らかな湯気

骨に響くボサ・ノヴァを飲み下して

呼び出しのベルに送れないように

針子の衣装に袖を通すの


玄関から染みてくる シャーベットの冷気

書き置きは 赤いインクとアラベール

二度とは帰ることのないこの場所を

思い出と呼ぶことを 許してほしい



仮題『救わない物語』


狼に食べられた少女 灰の中で朽ちてゆく

眠り姫は目覚めぬまま 人魚の死体と共に

語る言葉 騙る言葉の虚飾を剥がして

ほんとうのことなんて どこにもない


真実は 見たかったものとは違う

現実は 望んでいたものとは違う

何千回の試行を繰り返してゆく きみが

いつか それに気がつきますように



仮題『now』


過ぎゆく 過ぎゆく 景色の中

あなたは前だけを見て 過去を憂う

生の浪費にも気付かぬままで

口を衝くのは 言い訳ばかり


先も後も わたしたちにはないのだから

ただ この瞬間だけを切り取って

拍動に身を委ねては 嘯いて

カウントが動く またひとつ

元気?

そう、それは残念だったね。

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