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仮題『そんな日』/『果て』/『Color』
ご愁傷さま、なんてね。
何とも思ってないくせに。
仮題『そんな日』
一筋の煙が上ってゆくのを
黒の装いで 眺めていた
あなたと別れるには 相応しいと
手向けた花が 腐るまで
拭った目元のガラス玉を
執着と憧憬の糸で繋げたら
そこに未練がましく残る冷たさを
瓶詰めにして 持っていこうか
仮題『果て』
雲の上ならどうだろう?
海の底ならどうだろう?
地平線の さらに向こう側なら
あなたは許して くれるだろうか
当然に至ると思っていたのに
息もできずに 竦んでしまった
緯度も経度も定かでないような
棺桶暮らしの わたしのことを
仮題『Color』
白黒の世界に 筆を落として
赤 会おうね 君 看取るように
手放したくないと 重ねてしまった
腰まで覆う真っ黒も 愛せるように
理想の景色を描くための色が
ぼくたちの脳みそにしかないのなら
鮮烈なマゼンタで頭を割って
溜め込んだそれを 君に捧げよう
仕切り直しを、仕切り直そうか。
自己犠牲なんて流行んないよ。




