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海を揺蕩う文の梁  作者: 文海マヤ
――2022――
83/205

仮題『メモリ』/『信念』/『恩返し』

ぱちぱち、ぱちぱち。

ひばながちるよ。

仮題『メモリ』


デリート デリート

消しゴムをかけなければ 私たちは

埋まっていく情報が 熱を帯びて

脳みそごと 焼き切れてしまう


冷やしたストレージに満たした水を

盃に ぷるりと盛り付けて

喉の奥に溜まっていく澱みが

肚の内側の火を消していく



仮題『信念』


生まれつき貫かれた この芯を

曲げぬようにと 伸ばした背

髄液の水溜りに映った顔は

誇らしくあれ 祝福されてあれ


しゃんとして 心を焼き固めて

躊躇を押し潰すほどの膂力と化して

悪意と言葉を跳ね返せるように

その強がりに 名前をつけるのです



仮題『恩返し』


あらゆるものが あなたを生かし

あらゆるものが あなたを殺し

現世をその身で生きるのならば

報いるものは あまりにも多く


血を以ても 愛を以ても

不足だと感じてしまうのならば

背骨に貼り付いた肉を剥がして

供することでしか 返せないのだろう

それでいいさと、言えるほどにね。

ぜんぶけずって、皿に盛って。

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