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海を揺蕩う文の梁  作者: 文海マヤ
――2022――
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84/205

仮題『真似』/『えにし』/『i』

笑いたきゃ、笑いなよ。

運命の糸で、宙ぶらりん。

仮題『真似』


カタチを変えた 緑青の憧れを

骨の先まで 届けたのなら

ついてきてくれた 影の縁すらも

あなたに近付けるのだから


ああなりたいと 願いを彫って

その傷跡を騙すことすら

滑稽な 一人芝居であるのだと

教えてくれれば よかったのに



仮題『えにし』


赤いそれを 糸に例えようか

小指に絡まり 熱を放つそれを

青いそれを 鎖に例えようか

足にまとわりつき 痛み続けるそれを


しがらみは いつも横顔ばかり

腐ったとしても 切れずに惰性

いつか 焼き切れるその日を越えても

網膜に一筋 焼き付いて



仮題『i』


キミとのサカイ ミウしなってさ

ムネのオクに ネツのカタマリ

パレットのウエ マゼたイロの

ナマエを『ワタシ』と ナヅけたの


カナしみをアオに ヨロコびをアカに

ヌりワけたキミは ネムりについて

キタイをスてられないメイシのアタマに

『ワタシ』をオいて ゴマカすの



かたかた、さらさら。

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