表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
海を揺蕩う文の梁  作者: 文海マヤ
――2022――
70/205

仮題『シャボン』/『秋色』/『花唄』

吹いてご覧、空っぽになるまで、さ。

夏の終わりは寂しいもの、ね。

仮題『シャボン』


ふわふわで 包み込んで

自分ではない 自分の苦しみも

弾けて消えてくれるのだと

ゴミ山のきみは 信じていた


永遠に降り続く雨は冷たくて

暖かな薬液を ざあざあと壊して

悪気もなく 黴を手足に拡げては

また凍てつかせてしまうのだろう



仮題『秋色』


やめて 連れて行かないで

あの ひどく蒸し暑い青色の季節に

裏も表も 全てを忘れなかった君を

まだ 置いてきたままにしているんだ


骨に黴が生えて 脳に苔が生して

虫すらも食わぬ ただの石の柱として

突き立ててくれて構わぬから どうか

わたしからあの季節を 奪わないで



仮題『花唄』


空に伸びてゆく 瑞々しい花弁を

愛でるために 歌を唄うのだ

この体を すべて捧げてもなお

赤い花びらが開くには 足りないから


肉に突き刺さる根の先で

全ての血潮を吸い上げたとしたら

その表面が乾くまでの一瞬

この世界に赦されるのだと信じていた



痛みだけが、あなたの親友だよ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ