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仮題『シャボン』/『秋色』/『花唄』
吹いてご覧、空っぽになるまで、さ。
夏の終わりは寂しいもの、ね。
仮題『シャボン』
ふわふわで 包み込んで
自分ではない 自分の苦しみも
弾けて消えてくれるのだと
ゴミ山のきみは 信じていた
永遠に降り続く雨は冷たくて
暖かな薬液を ざあざあと壊して
悪気もなく 黴を手足に拡げては
また凍てつかせてしまうのだろう
仮題『秋色』
やめて 連れて行かないで
あの ひどく蒸し暑い青色の季節に
裏も表も 全てを忘れなかった君を
まだ 置いてきたままにしているんだ
骨に黴が生えて 脳に苔が生して
虫すらも食わぬ ただの石の柱として
突き立ててくれて構わぬから どうか
わたしからあの季節を 奪わないで
仮題『花唄』
空に伸びてゆく 瑞々しい花弁を
愛でるために 歌を唄うのだ
この体を すべて捧げてもなお
赤い花びらが開くには 足りないから
肉に突き刺さる根の先で
全ての血潮を吸い上げたとしたら
その表面が乾くまでの一瞬
この世界に赦されるのだと信じていた
痛みだけが、あなたの親友だよ。




