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仮題『共存』/『百字帳』/『置換』
心残り、本当にない?
仮題『共存』
いつも 居場所を探していた
共に生きてくれる誰かを
この脆弱と愚鈍を許してくれる誰かを
ヒトは孤独だと知っているはずなのに
弱さを認めることにすら慣れて
それでも 共には在れぬまま
重量の加速度に引かれる前に
私の居場所を 教えて下さい
仮題『百字帳』
埋める言葉に意味などなくとも
埋まることそのものが充実で
空白すらも愛せるのならば
ランドリーまで旅をしよう
浅い本棚の隣に滑り込んだ
腐った膿を吐き出すのには
たったこれだけの枠では
足りないに決まっているのに
仮題『置換』
ありがとう を置き換えて
愛している を置き換えて
代わりにと口にした言葉は
きみの喉元を 深く抉り出した
飲み込んでしまった針のむしろを
吐き出すことすら 許されず
それでも 優しいあなたは
ほんとうのことを隠してしまう
埋めるのが目的になっているよね。
私は優しくはないからね。




