表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
海を揺蕩う文の梁  作者: 文海マヤ
――2022――
63/205

仮題『飛行機雲』/『無二』/『やめた』

いい天気だね、結構結構。

仮題『飛行機雲』


きみが溶けていなくなったあとの

空に浮かべた リグレット

炭酸の泡が消えてゆくのを

あの灯台から 眺めていた


例え 世界が終わってしまっても

記憶の中にしか生きていないきみに

もう一度 会いに行くために

翼なき手で 羽ばたくのだ



仮題『無二』


切り取り線の 向こう側

気付く前なら きっと捨てられた

今では 神経が通っていて

刃を入れれば 血だって滲む


寂寥くずれの感情が 真っ赤に流れて

ありふれた言葉に意味を吹き込む

明日の朝 市場に向かう前には

ほんとうの価値を知ることになるのだ



仮題『やめた』


息を止めて 湖に沈んでゆく

眠かった 冷たくて 苦しくて

でも 不思議と痛くはなかった


愛してくれないとわかっていて

愛されてはいけないとわかっていて

それでも 心拍は止まらなくて


まだ この無価値な二進数を

人生と称して並べ続けるのなら

私であることを 放棄するべきだ


聞き飽きたよ。

まどろみの海で、溺れないようにね。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ