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仮題『想い一つ』/『わたしへ』 短歌:『末期』
全部全部、馬鹿らしいよ。
仮題『想い一つ』
カランコエの花が咲いていた
弔いは 手遅れの言い換えで
彩色前の 代替可能な感情なんて
陳列されていないはずなのに
細く 細く きみの煙が上ってゆく
灰になった心が 喉を詰まらせる
きみのいない 大好きだった世界を
これを抱えたまま 生きるんだ
仮題『わたしへ』
文章は書かないでください
才能もないのに 囚われてしまうから
夢なんて抱かないでください
失うときに 血を流してしまうから
それでも 筆を執ってください
あなたには それしかないのだから
苦しみながら 前を向いてください
そうしなければ 生きられないのだから
短歌:『末期』
きっとまた 逢魔ヶ時の 錆の色
終電を告げる 浮遊の感覚
お腹減ったね、帰ろうか?
また、あしたね。




