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海を揺蕩う文の梁  作者: 文海マヤ
――2022――
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51/205

仮題『私がいる』/『正解』/『君の味方』

それじゃあさ、続きを読もうか。

いち、にの、さん。

仮題『私がいる』


この世のどこにも 救いなんてないよ

奇跡なんて起こらないし

あなたは有象無象の一人に過ぎない


超常も特別も 何一つなくて

現実という名前の 今日の続きが

また 明日も続いていくだけ


それに疲れたら またおいで

文の海原に またおいで



仮題『正解』


気付かないようにしているのだ

ずらり並んだ 問題の羅列

全てに当てはまる解法など

一つしかないと 知っているのだから


けれど それを認めてしまったなら

首に指を絡めてしまうから

どうなってもいい その日を待つ

全ての解は 絶命なのだから



仮題『君の味方』


あなたはいつも 私の手をとり

茜色の言葉をかけてくれた

捨てた涙が津波になって押し寄せても

それだけで 立ち続けることができた


なのに どうして?

どうして 死なせてくれないの?

沢山の管を繋がれたわたしが問うたなら

君は決まって こう答えるのだ


ごめんね、ありがた迷惑だよ。

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