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海を揺蕩う文の梁  作者: 文海マヤ
――2022――
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43/205

仮題『変われた人』/『一緒に』

羨ましい?

そう、愚鈍だね。

仮題『変われた人』


くしゃくしゃに折り畳まれた

わたしの(はね)は 腐ってしまった

ドロドロに溶けた蛹の中で

わたしは成ることができなかった


翅を広げるあなたを目にして

請うことも 負うこともできずに

滲んだ 喘鳴にも似た別れに

ただ 置いていかないで と



仮題『一緒に』


嬉しくなどない 嬉しくなどない

(むし)られたわたしを抱き締めるように

角砂糖の今を 眺めてくれだなんて

一度だって 頼んでなどいないというのに


わたしと来てしまったのなら

もう ここには戻れないというのに

加速度が 同じ方向に引き寄せながら

寄り添うように 落ちていく

ぐっばい、おべろーん。

あなたを好きになんか、なれなかったよ。

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