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仮題『でも』/『月光』
言い聞かせなよ、必死にさ。
仮題『でも』
ほんの僅かな絶望すらも
私たちにとっては 死に値する
だから その言葉をもって
辛うじて繋いでいくしかない
非才であると知りながら
愛されないのだと知りながら
口実付けの理由を積み重ねて
ここに屍を縫い止めるのだ
仮題『月光』
ほんとうのカタチを照らし出すから
誰も 嘘が吐けなかったの
脆く か弱いわたしたちだから
それから逃げるように 火を焚いたの
偽りだらけの 帳の下で
その妖しい輝きは 優美な毒として
盤上で踊る 石英の道化たちを
戦慄くように 風化させていくから
逃げられないよ、オーレリア。




