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仮題『君が泣くから』/『愛言葉』
自惚れないでよ、君ごときがさ。
仮題『君が泣くから』
純真の雫が 嫌いだった
あなたのあどけない頬を伝うたび
その肩を揺らす あらゆる悲しみを
この手で取り払いたかったのだ
でも 幸せは与えられるものではなく
あなたは一人で救われるのだから
わたしの手は 空を掴んで
井戸の底で 溺死するのだ
仮題『愛言葉』
口にするのは 卑怯だと思った
片道切符の想いなんて
心の底に 鍵をかけて
仕舞っておくべきだと思った
吸入器と心電図が響く部屋で
朽ちゆく骨の内側で それを見つけた
けれど 開けるための暗証を
もう 手放してしまった後だった
もう、遅いのにね。




