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海を揺蕩う文の梁  作者: 文海マヤ
――2022――
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26/205

仮題『褒める』/『蟲毒』

いいよ、あげるよ。

仮題『褒める』


とうに骸だと気付いていたんだ

骨に肉が載っているだけで

私の体を動かす命は

使い切ってしまっていたんだ


わずかに残った蛍火を

ただ 消えぬよう 消えぬようにと

抱き締め 繰り返し温めては

今日もまた 砂漠を往くのだ



仮題『蟲毒』


毒虫の坩堝で あなたは言う

「世界は光に溢れています」

毒虫の坩堝で あなたは言う

「生きていて 命さえあれば」


毒虫に呑まれ あなたは言う

「どうして 私ばかりが」

毒虫は悶え あなたは消ゆ

そうして おればかりが残った

綺麗事じゃん、それ。

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