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仮題『褒める』/『蟲毒』
いいよ、あげるよ。
仮題『褒める』
とうに骸だと気付いていたんだ
骨に肉が載っているだけで
私の体を動かす命は
使い切ってしまっていたんだ
わずかに残った蛍火を
ただ 消えぬよう 消えぬようにと
抱き締め 繰り返し温めては
今日もまた 砂漠を往くのだ
仮題『蟲毒』
毒虫の坩堝で あなたは言う
「世界は光に溢れています」
毒虫の坩堝で あなたは言う
「生きていて 命さえあれば」
毒虫に呑まれ あなたは言う
「どうして 私ばかりが」
毒虫は悶え あなたは消ゆ
そうして おればかりが残った
綺麗事じゃん、それ。




