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海を揺蕩う文の梁  作者: 文海マヤ
――2023――
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189/205

仮題『タイムラプス』/『内腑の痛み』/『赤といえば赤、白は既に死んだ』

傲慢だね。

傲りに焼かれてしまえばいいんだ。

仮題『タイムラプス』


短く断ったピースを

貼り合わせて描いた一枚絵

その真ん中に きみはいない

いつかいたはずの きみがいない


全てを映すことはできないさ

レンズはひどくちっぽけだ

掌の上の画面に 浮かべるには

足りない 足りなくていい



仮題『内腑の痛み』


これはどこの部品だったか

代替不能 解読不可能

壊れかけのゲノムを繕った

何もしたくない僕の偶像


直らなくていいさ 完膚無きまでに

歪んでしまった輪郭線を

殴りつける音が響いていた

死んでしまえ 死んでしまえ



仮題『赤といえば赤、白は既に死んだ』


耳を欹てて 爪先で跳ねて

小さなものたちが寄り添って

視線を反らし合う世の中なんてのは

君の頭の中にしかない


見てごらん ドブネズミだ

毛並みも臭いも酷いものだ

それでも 愛せるのかい?

綺麗なものにしか触りたくないくせに


感嘆符は勿体ないさ。

笑えないよ、笑えない。

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