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海を揺蕩う文の梁  作者: 文海マヤ
――2023――
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172/205

仮題『Blue』/『Division』/『スピード』

別に、君が何を考えていようと知らないよ。

わたしはわたし、あなたはあなた。。

仮題『Blue』


それは死斑の色だった

腐りかけの肌を貼り付けたそれは

きっと わたしのために誂えた

一着きり 快晴のドレス


席について 曇らぬうちに

召し上がって 腐らぬうちに

この空の下で咲ける時間は

皆 平等に決まっているのだから



仮題『Division』


あっちとこっちで向かい合い

他問他答に果てはなく

合わせ鏡にすらなれず

わたしたちは ふたりのまま


音が鳴る 嫌いなまま

音が鳴る 繋いだまま

かつてはひとりだったわたしたちの

お別れのための 音が鳴る



仮題『スピード』


歯車を回す 誰かの指が

急くようにして 私をつつく

先に行ってしまった あなたに

追いつくようにと 背を叩く


拍動 歩調 言葉や瞬きの数だって

置いていかれてしまう私が

あと少しだけ 勇気を出したなら

この砂漠を抜けられるのだろう


オーディエンスには、ご退場願おうか?

各駅停車で行こうか。

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