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海を揺蕩う文の梁  作者: 文海マヤ
――2023――
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170/205

仮題『日没』/『夜更かし』/『疾患:Life』

作られた思い出でも、救われるならいいんじゃない?

仮題『日没』


輝いていた あなたを知っている

愚かな私を導く灯火のような

煌めくあなたが焼き付いている


それが荼毘に付されるその時まで

この目に焼きつけられたらと

そんな与太話をしていた あの日


灰になったあなたを掬う指は

なぜ震えていたのだろうか



仮題『夜更かし』


時計の針が閾値を超える前に

指先が焦れるように動くんだ

突き動かされた 心拍に

提出するべき 答えもないんだ


加速する 加速する 時の中で

深まる闇が 肉の内側を

満たしきってしまう前に 見つけて

朝を迎えるための合言葉



仮題『疾患:Life』


倦怠感 発熱 うわごと

痙攣 乾咳 関節痛

どれも どれもがお友達

熱を持っては 苛んで


炎症の元を探る手すらも

壊死の波から逃げられず

一直線の心電図を

今日も夢見て 眠るのだ


まるで、生まれ変わるようだ。

お見舞いはいらないよ。

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