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仮題『忘らるる都』/『聞こえないフリ』/『弾切れ』
立派なものだね。
その通りに生きられないということを除けば、だけど。
仮題『忘らるる都』
知りたくもなかったことを
頭蓋骨いっぱいに詰め込むために
あの 懐かしい景色に背を向けて
夜風の街にやってきたのだ
揺籃の地でしか生きられぬ
脆くも弱いあなたを憂う
壁の染みや 柱の傷だって
告別には間に合わないのでしょう
仮題『聞こえないフリ』
本当は知っていたんだよ
君があの川を渡ったこと
本当は知っていたんだよ
宇宙が落ちてなんてこないこと
でも あなたは無知な私を
きっと 愚かにも愛していたから
接続詞無しで語れない恋を
続けるのに必要だったの
仮題『弾切れ』
気味の悪いくらいの青い空
背に立つ君を今でも覚えている
僕らの間を遮るように
佇む 金網の忌まわしさも
届くものは一つもなくて
何もかも撃ち尽くした僕は
地平の向こうに消えてゆくのを
崩れることもできず 見ていたんだ
大人になれないまま、歳をとったんだね。
ありふれたお話だよ。




