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仮題『蛍火』/『靴音:Synapse』/『快晴:Reverse』
瞼の裏は優しかったの?
ふうん、だから腐ってしまったんだね。
仮題『蛍火』
薄闇に ぽつり ぽつり
命を燈した 夢灯籠
道を間違えることもできない
小さなわたしの 道標
辛いんだ 苦しいんだ
息をするだけで痛むんだ
だから 見つけてもらえるまで
命を燃やして 光るんだ
仮題『靴音:Synapse』
割り込まれる度 えぐり出した
数えるのも億劫な 何人目の私
数珠繋ぎの架線上に寝転んで
八拍子のリズムで 寝息をたてる
濡れた肩を乾かすために
扉で隔てた向こうを眺めた
静寂と沈黙を読み替えるために
もう少しだけ 語彙が欲しかった
仮題『快晴:Reverse』
黒のクレヨンを持たないのは
君が幸せだからなのだ
満ち満ち足りているくせに
未だ飽きずに 求めているからだ
味のしないガムを吐き出せず
剥がした瘡蓋の血をインクにして
描かなければ生きていけないような
四行足らずの わたしとは違う
色の変わった皮膚ほど、愛おしくなるんだ。
乾いて死んでしまえたらよかったのにね。




