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海を揺蕩う文の梁  作者: 文海マヤ
――2023――
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152/205

仮題『転生:Limit』/『顔料:Dive』/『食』

半導体の脳味噌に、セラミックの指。

こんなものになりたいの?

仮題『転生:Limit』


次の君は誰になるのだろう

箱に詰められた玩具の中に

紛れてしまった 腕の取れたロボット

捨てられないで 大人になるんだ


最期に見るものが 美しいものでなく

フロントガラスに映る自分なら

蜘蛛の巣のようにひび割れた景色を

さあさ お片付けしましょう



仮題『顔料:Dive』


泣いた魚の首を締めては

同じ目の色を憎んでいた

分割された格子窓の向こう

卒塔婆を踏んで笑っていた


気の所為だと 思い上がりだと

並んだ言葉 前倣え

心停止を安寧だと言い換えた

影法師をまだ 追い続けている



仮題『食』


肉を噛んで 髄を啜って

骨までしゃぶり尽くして

臓も細切れにしてしまおう

舌の上で弄ぶために


この苦さが君の味だとして

あの日にくれた 嘘っぱちの甘みは

どこから滲んできたのだろうと

右の目玉を噛み潰す


死斑の浮いた肌でも愛せる?

よく噛んで食べようね。

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