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辺境の冒険者Aさん  作者: ミの人
85/401

85 冒険者Aさんと評価

あらすじ:あらあらうふふ無双


視点:食通のご隠居様 ゲンジロウさん

『』:アルファさん


(すたすたすたすた、ギーーー)


『あれ? 3人とも帰ってへんかったん?』


「面会お疲れ様です、おじさま!」


「にーさん、お疲れ様~」


「ほっほっほっほ。

 うむ、お疲れ様、アルファ君。

 いや何、少し話がしたかったというのもあるが

 我々も、やはり気にはなるのでな」



 うむ、気になるのは仕方がない。


 なにしろ、あの、アルファ君の


 {2人目の弟子}となるかどうかだだからな。


 気にならない訳がないというものだ。



「で~、アルファのにーさん!

 あの娘、どないでした!?

 弟子にしはるんですかっ!?」


「もーーー! ジンーー!?(ぷんぷん)

 まず、おじさまには

 一息ついてもらうべきやろ!?

 あっ! おじさま?

 あったかいお茶でええですかー?」


『おっ、お茶入れてくれるんか?

 ありがとーなー、姫さん。(ガタタン)

 よっこらせーっと(ボスンッ)』


「うむ、アルファ君。

 ここにお茶菓子もあるからのう。

 マリ君が持ってきてくれたお土産なのだが

 なかなかの美味だったぞ。

 まずは一息ついてくれたまえ。

 ・・・うむ? そういえばミケニャン君は?」


『お~~!

 【フソウ】の生菓子とか久し振りやな。

 ありがたく頂かせてもらいますわー。

 あ、ミケはユキくんを宿へ送るついでに

 ギルドへ手紙届けに行ってもらっとるんやわ。

 ま、すぐ戻ってくるやろし

 それまで小休憩といこかー』



▽ ▽ ▽ ▽ ▽ ▽ ▽


▽ ▽ ▽ ▽ ▽


▽ ▽ ▽




「本人の才能とか素質とか

 そういうのは知りませんけど

 ミケ的にはかなり見所があると思いましたよ?

 考え方や目の付け所も良かったですし。

 ・・・何よりも、あの父親と違って

 ねじくれてなさそうなのが評価できますね!」


『それな』


「あーーーーーー」


「ほっほっほ、手厳しいのう」


「おじさま? ミケねーさま?

 見所のある考え方とか見所って

 例えばどんなんやったんですー?」



 ふむ、アルファ君はともかくとして

 

 ミケニャン君がこの様に誉めるとか珍しい。


 これは、ぜひとも聞いておきたいところだのう。



「例えばですか? そうですねー。

 まず、ミケへの付け届けに

 【高級マタタビ酒】を持ってきた事ですかね!!」


「えっーー!? あはははは!!」


「いきなり賄賂でっかー!?」


「ほほう、アルファ君も何か貰ったのかね?」


『いや、お土産は幾つか貰ったけど

{皆さんでどうぞ}ーって貰っただけやから

 俺個人では貰ってないでー』



 ・・・ふむ、ミケニャン君にだけ


 あえて付け届けを送る・・・か。


 ほうほう、なるほど?



「次に、何の弟子を希望したかって事ですね。

 あの子、【付与術】や【マジックアイテム作成】を

 希望したんですよ。

 実は、これは初めてのケースなんですよ!!」


「えっーーー!! {料理}ちゃうん!?」


「ええっ!!?

 あの子って、お武家さん育ちなんやろ?

 {武術}とか{戦術}とかやないん!?

 もしくは{商売人}とか{冒険者}やったら

 分からんでもないけど。

 ・・・ってゆーか、お嬢~。

 さすがに{料理}の弟子はないんちゃうか?」


「いえ、ご主人様を料理人と勘違いして

 弟子入り志願してくる人は結構居ますよ?」


『せやねんな。

 まあ、さすがにそれは断っとるけどなー。

 そもそも、俺は作る方より食う方が好きやし

 作るのも、かなり大雑把やしなー。

 料理人みたいにきちっとしたもんは作られへんよ

 あ、でもな、弟子まではさすがに無理やけど

 たま~に、同時期に何人かに頼まれた時とかは

 ご家庭料理やキャンプ料理みたいなんを

 臨時の料理教室開いて、教えたりもしてるんやで?』


「そ、それは・・・それやったら・・・。

 ウチも!!? ウチもぜひ!!!!!

 ぜひ、食べたいですーー!!!」


「って、お嬢は食う方なんかいっ!?」


「・・・そして何より!

 ミケの事は、{ご主人様の嫁}扱いした事ですね!!

 もう一度言いますよ!?{ご主人様の嫁ぇ}!!!

 確かにあの子は事実を言ったまでですけど!!

 実に、いい事言いました!!

 実に実に、いい事言いましたよ!!!

 これは、ミケ的にポイント高いですよ!?」


「えええええええええええぇぇぇぇええ!!!??

 アカン!! そんなんアカンと思います!!」


「うむうむ、そうきたか」


『おいおいミケ~、嘘はアカンで。

 あの子は身内扱いしただけやろ?』


「えーーーーー!?

 似たようなもんじゃないですかー!

 だったら、嫁でもいいですよね!!?」


「いや! ウチはそんなんアカンと思いますぅ!

 身内でええやないですか!

 家族ですってば家族!

 (ぼそぼそ)その役はウチが代わりますから。」


「お嬢~? 今どさくさに紛れて

 何か言わんかった~?(にやにや)

 もっと大きい声でゆーたりや!!

 さあ! もっともっと~!!!」


『ほれ、怒んなやミケ~。

 (なでなで)家族でええやろー?

 俺の数少ない身内やないか。

 それで満足しとけよー(なでなで)』


「ぐぬぬぬ!! いーえ!!!

 そんなので、ごまかさ(びくくっ)はにゃ~ん。

 ごまかされたりは(ぴくんぴくん)ごまかさ・・・。

 はっ!? ごまかされたりしま(すりすりすりすり)

 ・・・・・・くっ!!?(くんくんくんくん)

 ころ快楽に抗えらいろれすっ!!」


「・・・・・・ええなあ(ぼそっ)」


「お嬢~~~?(にやにやにやにや)」


「なるほどのう。

 つまり、{謀らないキヘエ君}なのだな」


「「?」」


『おっ、さすがゲンさん、ご名答~。

 せやな、俺もミケも同じ事思ったわ。

 あの子は、{謀らんキヘエ}って感じやな』


「「???」」


「(すりすりすり)・・・要するにですね。

 あの手この手を考えつく所までは似てても

 その中で、どの手段を使ってくるか

 そこが大きく違うって事ですよ(ふにゃ~ん)」


「まあ、ユミネもジン君も

 キヘエ君の事はよく知らぬだろうから

 わからなくとも仕方はない」


『せやろなー。

 まあ、キヘエの事は別としてやな。

 事実だけを挙げてみるで?

 まず、ちゃんと情報収集しとるやろ?』


「例えばですねー。

 ミケがどういう性格で何を好んでるか。

 ご主人様はそういうご機嫌伺いみたいな

 付け届けを好むか好みまないか・・・。

 それを事前に調べて知っているからこそ

 ご主人様には皆に分けられるお土産を複数渡し。

 ミケみたいに嫁と呼んでも過言ではない超身内には

 個別に好みの物を渡しているんです」


「・・・はあ、んんん?」


「分かりませんか? ユミネさん。

 そうする事で、ほら。

 誰の気分を害する事も無く

 外堀が埋めやすくなるでしょ?

 {将を射んと欲すれば~}ってやつですよ」


「・・・・・・あっ!?」


「うむ。

 そうなると、今にして思えば

 マリ君から土産にもらった、この生菓子。

 これもあの子が気を使ったのかもしれんな」


「え? どうゆーことです? ご隠居様」


「どう言う事も何もそう言う事ですよ。

 お願いしたい本人が渡せば

 相手に恩着せがましく映りますけど

 母親のマリさんの手を経由させれば

 マリさんの面目も立ちますし

 相手の心象も悪くなる事はないでしょ?」


『まあ、そこらは人によるんやけどなー。

 例えば、今回の俺らの場合やと。

 あー、この子はそこらへん考えて

 そういう配慮をするんやなーって

 ええ方に受け取っとる』


「ふむふむ」


『逆に、そういうのをあざといわーって

 感じる人も居るやろーけど

 その辺、全く欠片も気にもでけへんよーな

 無神経、無配慮な人より全然ええ。

 ・・・少なくとも、俺らはそう思っとるし

 あの子はそうなんやろな、と判断した。

 それだけでも十分評価に値するわ』


「ほえー・・・ワイはそこら辺苦手ですわ。

 ワイはなーんも考えんと護衛だけしときます~」


「まあ、それも一つの配慮ですよ。

 {下手の考え休むに似たり}なんて言いますしね」


『せやでー。

 特にキヘエにとっては、今回の騒動なんて

 {策士策に溺れる}って感じやしな』


「「?」」


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↓ こっちも開始しました・・・開始しちゃいました。
猟団の団長Bさん
こっちはチートや変態成分高めの傭兵稼業です。



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