第3章:進撃のゴーレムトラック
ソフィァが言うと収まらないのがカタリナねえ
ホンゴウさんダイスケは?
3聖女も黙っていませんケイスケは?
マリアも乗っかってシゲルは?
ジョージ(ユウキ)さんの「かつては全員が長身イケメンだった」という爆女王発言に、氷の建屋内の熱気はさらに跳ね上がりました。ソフィアさんだけではなく、その場にいるすべての嫁たちが、夫たちの意外な「真実」に色めき立ちます。
嫁たちの追求:真実の姿を求めて
まず声を上げたのは、ダイスケ(ヤマモト)さんの嫁、カタリナさんです。
カタリナさん: 「ちょっと待ってください、ホンゴウさん! ダイスケ……ヤマモト様もなの? 160cmの今の彼も凛々しくて大好きだけど、前世は長身でホソマッチョだったっていうのは本当なの!?」
詰め寄るカタリナさんの勢いに、タケシ(ホンゴウ)さんは豪快に笑いながら頷きました。
タケシ(ホンゴウ)さん: 「ああ、間違いない。ヤマモトは部隊でも一、二を争うキレ者で、その長身から繰り出される技は、まさに芸術品だったぜ」
それを聞いて黙っていられないのが、ケイスケ(ジン)さんの嫁である3聖女たちです。
アンジェリカさん: 「ホンゴウさん、ケイスケ……ジンさんは!? あのドスケベなところはともかく、彼もその……素敵な長身だったのですか?」 マーガレットさん: 「そうよ! あのチビガリのどこにそんな要素があったっていうのよ!」 エリザベスさん: 「嘘だったらケイスケをお仕置きするんだから!」
タケシ(ホンゴウ)さんは肩を揺らして答えます。
タケシ(ホンゴウ)さん: 「ジンか? あいつは部隊のムードメーカーだったが、戦場に立てばその長い手足で敵を翻弄する、非の打ち所がない美男子だったんだぜ」
さらに、トラックの運転席からマリアンヌさんも身を乗り出しました。
マリアンヌさん: 「シゲル(ジョウ)さんは!? 昔のジョウさんも、その……ホソマッチョだったの?」 タケシ(ホンゴウ)さん: 「ああ、ジョウは寡黙でな。その鍛え上げられた身体から放つ覇気は凄まじかった。今はトラック野郎だが、当時は誰もが見惚れるイケメンだったさ」
男たちの苦笑いと誇り
嫁たちからの怒涛の質問攻めに、ジョージ(ユウキ)さん、ケイスケ(ジン)さん、ダイスケ(ヤマモト)さん、シロー(カザミ)さん、そしてシゲル(ジョウ)さんは、顔を見合わせて苦笑いしつつも、どこか誇らしげな表情です。
ケイスケ(ジン)さん: 「へへっ、聞いたか? 3聖女たちよ。俺の正体はそんなに凄かったんだぜ?」 ダイスケ(ヤマモト)さん: 「……カタリナ、今の俺でも不満はないだろう?」 シロー(カザミ)さん: 「アリシアさん、僕も……昔はあんなに小さくなかったんだよ」
アリシア女王は、シロー(カザミ)さんの頭を優しく撫でながら微笑みました。 「姿がどうあれ、私はあなたの魂に恋したのですから、構いませんわ。でも……少しだけ見てみたかったですね」
いざ、全速前進
「よし! ならばその『イケメン魂』、タケルの野郎に見せつけてやろうじゃねえか!」
タケシ(ホンゴウ)さんの号令が響き渡ります。シゲル(ジョウ)さんが高らかにクラクションを鳴らし、一行はついに進軍を開始しました。
トラックの荷台には20人の騎士隊が整列し、その脇を馬に跨った嫁たちが固め、ジョージ(ユウキ)さんの隣をソフィアさんが、ダイスケ(ヤマモト)さんの隣をカタリナさんがガッチリとキープしています。
ゴーレムトラック内では嫁たちがキャッキャうふふしています。
シゲル(ジョウ)さんが運転するゴーレムトラックの広い荷台と客室は、今や完全に「女子会」の会場と化していました。マリアンヌさんが作った氷の建屋から持ち込んだ冷えたエールと軽食を囲み、最強の嫁たちが華やかに、そして賑やかに盛り上がっています。
外を警戒する騎士たちの隙間から、楽しげな笑い声が漏れ聞こえてきます。
カタリナさん&ソフィアさん: 「ねえソフィア、聞いた? ダイスケ……ヤマモト様のあの技、長身から繰り出される芸術品だったんですって! 今の160cmでもあんなに素敵なステップを踏むのに、昔の姿なんて想像しただけで鼻血が出そうだわ」 「わかるわ、カタリナ! ジョージさんの『誰よりも速く、鋭い』姿……。今の小柄なジョージさんが、昔のイケメンな姿を隠して私を導いてくれてたと思うと、もう……キュンキュンしちゃう!」
3聖女(アンジェリカさん、マーガレットさん、エリザベスさん): 「ケイスケのあのドスケベな目つきも、長身イケメンの『ジン』さんだった頃からなのかしら?」 「きっとそうよ、マーガレット。でも、非の打ち所がない美男子だったなんて……。今夜は寝かせないでじっくり問い詰めなきゃね!」 「賛成! エリザベス、お仕置きの準備もしておきましょう」
マリアンヌさん: 「シゲル(ジョウ)さんの寡黙なホソマッチョ姿……。トラックを運転する今の逞しい腕も大好きだけど、昔の誰もが見惚れる姿も、マリア、見てみたかったわ!」
アリシア女王: 「皆様、落ち着いて。……でも、シロー(カザミ)さんのあの澄んだ瞳が、長身の貴公子のような姿で私を見つめてくれたら……と思うと、女王としての矜持が揺らいでしまいそうですわ」
荷台を固める紅蓮と聖盾騎士隊の面々も、厳しい警戒の合間に、夫であるタケシ(ホンゴウ)さんの話題で持ちきりです。
ヴィクトリアさん(副長補佐): 「タケシ様の今の厳格なお姿も素敵ですけれど、前世の長身イケメン姿で指揮を執るお姿……。ああ、想像するだけで20人全員、さらに忠誠心が跳ね上がってしまいますわね」
フランチェスカさん(剣士): 「ねえ、タケル公爵っていう『神』だった人も、相当なイケメンなのかしら? でも、私たちの夫には敵わないわよね!」
そんな背後の賑やかさを聞きながら、シゲル(ジョウ)さんはハンドルを握り、苦笑いを浮かべています。
シゲル(ジョウ)さん: 「……おいおい、ホンゴウさん。余計なこと言ってくれたおかげで、後ろがとんでもないことになってるぜ」 タケシ(ホンゴウ)さん: 「ははは、いいじゃないか。あいつらも楽しそうだしな。……まあ、タケルの野郎に会えば、嫌でも『本物の神レベルのイケメン』を見せつけられることになるんだ。心の準備をさせておくに越したことはない」
トラックは、幸せな笑い声と、少しだけ浮ついた(?)期待を乗せて、タケル公爵の領地へと全速力で突き進んでいきます。
トラックの揺れに合わせるように、嫁たちの好奇心も最高潮に達します。ついに、アリシア女王と騎士隊長のアンジェリカさんが、並走する馬の上から、あるいは荷台の窓越しにタケシ(ホンゴウ)さんを問い詰め始めました。
アリシア女王: 「タケシさん、先ほどからのお話……どうしても気になって夜も眠れそうにありません。シローさんの前世の姿、どれほど美しかったのか、もっと具体的に教えていただけませんか?」
凛とした女王の瞳には、隠しきれない期待が宿っています。さらに、タケシさんの20人の妻を代表して、アンジェリカさんが身を乗り出しました。
アンジェリカさん: タケシ! 私たちもよ! 私たちが愛するあんたが、かつてどのような姿で戦場を駆けていたのか……その『ホソマッチョでイケメン』な詳細を、一分一秒たりとも逃さず語ってもらわなきゃ収まらないわ!」
二人の熱量に圧倒されつつも、タケシさんは腕を組み、ニヤリと笑って語り始めます。
タケシ(ホンゴウ)さん: 「そうさな……。まずカザミ(シロー)は、今のあの優しげな顔立ちをそのまま大人にして、180cm以上の長身にした感じだ。細身だが、脱げば鋼のような筋肉を纏った貴公子……といったところか」
「まあ……!」とアリシア女王が頬に手を当てて、うっとりと空を仰ぎます。
タケシ(ホンゴウ)さん: 「そして、俺やジン(ケイスケ)、ジョウ(シゲル)たちも、基本的には皆180cmから190cm近いガタイだった。余計な脂肪なんて一切ない、戦うために研ぎ澄まされた身体だ。顔だって、どこに出しても恥ずかしくない精悍な面構えだったぜ」
アンジェリカさんは、その言葉を聞いて自分の胸元を抑え、感動に声を震わせます。
アンジェリカさん: タケシ! 私たちもよ! 私たちが愛するあんたが、かつてどのような姿で戦場を駆けていたのか……その『ホソマッチョでイケメン』な詳細を、一分一秒たりとも逃さず語ってもらわなきゃ収まらないわ!
背後で聞いていたマーガレットさんやヴィクトリアさんたちも、「タケシ様最高!」とばかりに拳を突き上げ、荷台はもはやアイドルの追っかけ会場のような騒ぎに。
その光景を見ていたジョージ(ユウキ)さんは、ソフィアさんの熱い視線から逃げるように窓の外を見やりながら、小声で呟きます。
ジョージ(ユウキ)さん: 「……ホンゴウさん、盛りすぎですよ。まあ、嘘じゃないですけど……これ、タケルさんのところに連れて行く前に、嫁さんたちの期待値が上がりすぎて爆発しませんかね?」
トラックは、そんな男たちの冷や汗と、女たちの薔薇色の妄想を乗せて、いよいよタケル公爵の領地へと足を踏み入れます。
領地の境界線を越えた途端、そこには「神」だった男が統治するにふさわしい、この世のものとは思えないほど整備された光景が広がっていました。
タケシ(ホンゴウ)さんのその一言が、お祭り騒ぎだったトラック内を瞬時に引き締めました。
タケシ(ホンゴウ)さん: 「おい、お前ら。……浮かれるのはそこまでにしておけ。俺たちがこれから会うのは『神』だった男だ。失礼があれば、この領地ごと消し飛ばされても文句は言えんぞ」
その重みのある声に、アンジェリカさんもアリシア女王も、そしてキャッキャとうふふしていた嫁たちも、スッと背筋を伸ばしました。
境界線を越えた瞬間、空気の密度が変わったのを全員が肌で感じました。
整備された大地: 雑草一つ生えていない滑らかな街道。
溢れる生命力: 季節外れの花々が咲き乱れ、木々は黄金色の実をたわわに実らせている。
圧倒的な静寂: 賑やかだった鳥のさえずりさえも、ここでは何かに跪くように静まり返っている。
ソフィアさんはハルバートを強く握り直し、カタリナさんはダイスケ(ヤマモト)さんの隣で唇を引き締めました。
アンジェリカさん: 「……タケシ、ごめんなさい。あまりのことに少し羽目を外しすぎたわ。ここからは騎士として、妻として、恥じない振る舞いをするわ」
アリシア女王: 「ええ。この空気……かつて聖域と呼ばれた場所ですら、これほどの神々しさは感じませんでした。気を引き締めなくては」
シゲル(ジョウ)さんは、いつもより慎重にアクセルを踏み込みます。
シゲル(ジョウ)さん: 「……ああ、嫌でもわかるぜ。この先の城館に、とんでもねえ化け物……いや、『御方』が鎮座してやがる。心臓がバクバク言っていやがるぜ」
助手席のマリアンヌさんも、自らの魔力がこの地の巨大な法力に共鳴して震えるのを、必死に抑えていました。
街道の先、美しい白亜の門の前に、数人の人影が見えてきました。 彼らもまた、この世界の常識を遥かに超えたオーラを放っています。
タケシ(ホンゴウ)さん: 「……来たか。野郎ども、挨拶の準備はいいな? 昔の俺たちの『イケメンな魂』を、失礼のない形で見せてやれ」
一方その頃、タケル公爵の居城。 その最深部にある執務室で、辺境伯でありタケルの妻でもあるロザリンド・ベル・フェルノートは、突如として全身を貫いた戦慄に目を見開きました。
彼女の卓越した魔力感知能力が、領地の境界線を越えてこちらへ向かってくる「異常」を捉えたのです。
ロザリンド: 「……っ!? なに、このプレッシャーは……。一つ一つが巨大な魔力の塊だわ。それがこれほどまとまって……!」
彼女は椅子を蹴るようにして立ち上がり、窓の外、街道の先を鋭い目で見据えます。
ロザリンド: 「タケル! 大変よ! ここにとんでもない魔力の塊が来るわ!」
彼女の叫びが城内に響き渡ります。これまで数々の困難をその夫と共に乗り越えてきた彼女が、これほどまでに動揺を見せるのは初めてのことでした。
部屋の奥、静かに書類に目を通していた男――タケルが、ゆっくりと顔を上げました。
ロザリンドの焦燥とは対照的に、その瞳は深く、静まり返った湖のように凪いでいます。しかし、その背後に漂うオーラは、彼女が感知した外敵(?)の魔力をさえも、優しく包み込み、無力化してしまいそうなほど絶対的なものでした。
タケル: 「……ああ、わかっているよ、ロザリンド。案ずるな。敵ではない」
彼は静かに立ち上がると、窓辺に立つ妻の肩を優しく抱き寄せました。
タケル: 「懐かしい気配だ。……ようやく、あの賑やかな連中が揃って俺のところまで辿り着いたらしい。前世の、そしてその前の前世からの……腐れ縁というやつだ」
ロザリンドは夫の言葉に驚き、少しだけその緊張を解きました。しかし、感知される魔力の総量は、依然として一国を滅ぼしかねない規模です。
城内の緊張: ロザリンドの叫びを聞きつけた近衛兵たちが慌ただしく配置につきますが、タケルの一瞥で、彼らは金縛りにあったようにその場に平伏しました。
ロザリンドの予感: 「(タケルがこれほど穏やかな顔をするなんて……。一体、どんな『怪物』たちが来るというの?)」
街道の先には、もうシゲル(ジョウ)さんのゴーレムトラックの土煙が見え始めています。
タケルのその言葉に、ロザリンド辺境伯は驚きを隠せませんでした。夫がこれほどまでに他者を全幅の信頼で語るのを、彼女は初めて聞いたからです。
信頼の眼差し
タケル: 「大丈夫だ。彼らは味方だ。……いや、味方という言葉すら生ぬるいな。俺の命を、そして俺の魂を預けられる数少ない連中だよ」
ロザリンドさんは、その言葉の重みに息を呑みました。彼女にとってタケルは、類まれなる才覚で一代にして公爵にまで上り詰めた「最高の夫」ですが、その過去のすべてを知っているわけではありません。
ロザリンドさん: 「タケルがそこまで言うのなら、私も信じるわ。……でも、これほどの大軍勢を門前で待たせるわけにはいかないわね。最高級のエールと食事、そして彼らと共にいる女性たちがくつろげる準備をさせましょう」
ロザリンドさんは辺境伯としての顔に戻り、即座に侍女や料理人たちへ指示を飛ばしました。
門前の邂逅
やがて、轟音とともにシゲル(ジョウ)さんのゴーレムトラックが白亜の門の前に姿を現しました。
門が開くと同時に、タケル公爵がロザリンドさんを伴ってゆっくりと歩み出ます。トラックから降り立ったタケシ(ホンゴウ)さんたち六人は、タケルの姿を認めるなり、不敵な笑みを浮かべました。
タケル: 「……久しぶりだな、野郎ども。よくここまで辿り着いた」
その声が響いた瞬間、タケシ(ホンゴウ)さんは一歩前に出ました。今の自分たちより背は高いものの、魂の波長はあの頃と変わらない戦友を真っ直ぐに見据えます。
タケシ(ホンゴウ)さん: 「……フン、相変わらずいい面構えだ。待たせたな、タケル」
嫁たちの困惑と驚き
タケルと六人の男たちの間に流れる、言葉を超えた濃密な「絆」。それを側で見守る嫁たちは、それぞれの反応を見せます。
ロザリンドさん: 「(……この人たちは一体? タケルと対等に、いえ、それ以上に親しげに話すなんて。それに、あの20人の騎士たちや後ろに控える女性たち……ただ者ではないわ)」
ソフィアさん: 「(……あれがタケル公爵? なんて神々しい人なの。ジョージさんの言っていた通り、本当にとんでもない場所にきちゃったみたい……)」
アンジェリカさん: 「(タケシがこれほどリラックスして、かつ敬意を払う相手……。あの御方が、私たちの運命を左右する鍵なのね)」
タケルはロザリンドさんの腰を引き寄せ、仲間たちに紹介します。
タケル: 「みんな、紹介しよう。俺の最愛の妻、ロザリンドだ。……さあ、積もる話もある。中へ入ってくれ。最高のエールを用意させてある」
タケシ(ホンゴウ)さんが一歩前に出て、タケル公爵の瞳を真っ直ぐに見据えました。その口調には、かつての部隊のリーダーとしての重みと、深い敬意が混じり合っています。
タケシ(ホンゴウ)さん: 「愛の戦士、ヤマトタケシ。……久しぶりだな。前世でもあまり付き合いはなかったが、その魂の輝きだけは忘れようがねえよ」
その呼び名を聞いた瞬間、タケル公爵の口元に、どこか懐かしむような穏やかな笑みが浮かびました。
「ヤマトタケシ」という名、そして「愛の戦士」という言葉。それを聞いた周囲の女性たちの反応は、静かな衝撃として広がります。
ロザリンドさんの驚き: 「(愛の戦士……ヤマトタケシ? 夫の過去に、そんな名前があったなんて。それにタケシさん、前世でも付き合いがなかったと言いながら、どうしてこれほどまで深い絆を感じさせるの?)」
ソフィアさん: 「(ジョージさんの言っていた通りだわ……。神だった頃の名前。この人、本当に『愛』を背負った神様だったんだ……)」
アリシア女王: 「(伝説の英雄のような響き……。シローさんが『先輩』と仰ぐ方々の繋がりは、私たちが想像するよりも遥かに古い神代から始まっていたのですね)」
タケルはロザリンドの肩を抱き寄せたまま、タケシ(ホンゴウ)さんたち六人の顔をゆっくりと見渡しました。
タケル: 「ああ、ホンゴウさん。……確かに直接刃を交えたり、背中を預け合ったりする機会は少なかったかもしれない。だが、同じ時代、同じ理想を抱いて戦場を駆けた魂は、言葉を交わさずとも通じ合うものだ」
タケルは一歩近づき、今は自分より小柄な体躯となった戦友たちの中心に立ちました。
タケル: 「『愛』を説くには少々騒がしい世界になってしまったが、お前たちが来てくれたなら心強い。……さあ、形式張った挨拶は抜きだ。今の俺はただの公爵、そしてこのロザリンドの夫だ。旧友として、最高のもてなしをさせてもらうよ」
タケル公爵の案内で、一行は白亜の門をくぐり、豪華絢爛な城館へと足を踏み入れます。
20人の騎士隊、そして嫁たちが圧倒されるほどの美しい庭園を通り過ぎる中、ケイスケ(ジン)さんがボソリと呟きました。
ケイスケ(ジン)さん: 「……ったく、神様は転生しても神様ってわけか。俺たちもイケメン魂は負けてねえつもりだけど、ここの豪華さには参るぜ」
豪華な城館の一室、再会の宴が始まる直前の静かな時間。タケル公爵は、隣で不安と好奇心を募らせる最愛の妻、ロザリンド辺境伯に向き直りました。
タケル: 「ロザリンド、話しておかなければならない。……彼らとは、前世において同じ時代を戦い抜いた仲なんだ。僕は当時、巨大な悪……死〇〇〇団と孤独な戦いを続けていた。彼らは彼らで、シ〇〇〇-という巨大な組織と戦っていたのさ」
タケルは遠い記憶を慈しむように、ゆっくりと言葉を紡ぎます。
タケル: 「僕は最後まで一人で戦い抜く道を選んだが、彼らは違った。彼らは志を同じくする10人の同志を仲間にし、その絆で世界を救ったんだ。僕が唯一、羨ましいと思ったのが彼らのその『絆』だったのさ」
その感傷的な空気を、タケシ(ホンゴウ)さんの太い声が遮りました。
タケシ(ホンゴウ)さん: 「おいおい、神様。そんな殊勝な言い方はないだろ。……神様に同志なんて、端からいらないでしょう? あんたはたった一人で、俺たち全員がかかっても届かないような奇跡を体現してたんだからな」
その言葉に、部屋の中に凍りつくような沈黙と、直後に雷に打たれたような衝撃が走りました。
夫の過去をある程度は理解していたつもりだったロザリンドさんでしたが、「神」という直接的な言葉に、彼女の心臓は激しく波打ちました。
ロザリンドさん: 「……タケル。……あなたは、やっぱり。やっぱり神様だったのねぇ……!」
彼女は驚きで声を震わせながらも、夫の手を強く握り締めました。一代で公爵にまで上り詰めたその底知れない知略、人々を惹きつけてやまない慈愛、そして時折見せるこの世のものとは思えないほど澄んだ瞳。すべての謎が、その一言で氷解したのです。
扉の外で聞き耳を立てていたわけではありませんが、その場に居合わせたアリシア女王や3聖女たちも、タケシ(ホンゴウ)さんの発言に息を呑みます。
アンジェリカさん: 「(タケシが冗談を言っているようには見えない……。本当に、神だった御方にお会いしているのね……)」
アリシア女王: 「(死〇〇〇団に、シ〇〇〇-……。聞いたこともない邪悪な名。彼らは私たちが知る由もない高次元の戦いを経て、今ここに集っている……)」
タケルは照れくさそうに微笑み、ロザリンドさんの肩を抱き寄せました。
タケル: 「かつての姿がどうあれ、今の僕は君の夫だよ、ロザリンド。……さあ、ホンゴウさん。神様に同志はいらないなんて寂しいことを言わないでくれ。今日は、その『同志』の端くれに僕も加えてもらいたいんだ」
タケルの一言で、緊張は一気に解け、会場には最高級のエールが運ばれてきます。
タケシ(ホンゴウ)さんの言葉は止まりません。エールのグラスを傾けながら、タケル公爵の「真実」をさらに畳み掛けます。
タケシ(ホンゴウ)さん: 「ロザリンドさん、あんたの旦那はただの神様じゃない。この世界の魔法の概念すら超越した、いわば魔法の始祖みたいな御仁なんだぜ。日、月、火、水、木、金、土……全属性の精霊を、呼吸をするように使役していたんだからな」
その言葉に、魔法を生業とする嫁たちは絶句しました。
マリアンヌさん: 「日と月……光と闇の根源さえも? それに五行の精霊すべてを同時に使役するなんて、現代の魔導師からすれば神話そのものだわ……」
アンジェリカさん: 「タケル様……いえ、タケル様。あなたがこの世界の理そのものだったのですね」
自分の愛する夫が、かつてそこまでの存在だったという事実に、ロザリンドさんは震える手でタケル公爵を見つめました。
ロザリンドさん: 「日、月、火、水、木、金、土……。タケル、あなたが時折見せる、あの属性を選ばない圧倒的な力……。それは前世から、すべての精霊に愛されていたからなのね。魔法の始祖……私の夫は、なんてとてつもない御方だったのかしら」
タケル公爵は、タケシ(ホンゴウ)さんの暴露に困ったように眉を下げ、苦笑いを浮かべます。
タケル公爵: 「……よしてくれ、ホンゴウさん。精霊たちが力を貸してくれたのは、僕が彼らと対話した結果に過ぎない。始祖なんて大層なものじゃないよ。……でも、ロザリンド。君が僕を支えてくれる今の人生の方が、精霊を使役していた頃よりずっと魔法に満ちていると、僕は本気で思っているんだ」
元「神」にして「魔法の始祖」という、最高位のイケメン魂を持つホスト。 そして、それに引けを取らない「イケメンな魂」と「誇り高き嫁たち」を持つ六人の男たち。
ケイスケ(ジン)さん: 「おいおい、タケルさんの惚気まで神級かよ! 魔法の始祖にそう言われちゃ、俺たちも嫁さんたちを魔法にかけるくらいのイケメンっぷりを見せなきゃな!」
豪華な食堂には、伝説の戦士たちと元神の笑い声、そして彼らを誇りに思う嫁たちの感嘆の声が響き渡ります。




