130話
「とりあえず直樹の家へと向かいますか!」
帰り道的に俺の家の方が近い。
…今日はこのままお開きかな?
と、思っていたのだが。
俺の家の前に着くと
「今日はもうそのまま帰っちゃう?」
と明里さんが聞いてきた。
「うーん、明里疲れてるんじゃない?」
「外で遊ぶのはしんどいけど、このまま解散は寂しいかな。良かったらお家デート…したいな?…だめ?」
両手を後ろで組み、上目遣いで俺の顔を見つめる。
現在PM3時。
「だめじゃないよ、でも電車の中でシャワー浴びたいって言ってたよね?」
「うん、だから私の家でってことで」
もちろん俺が断るはずもなく。
「いいよ、でもちょっとだけ待ってくれる?汗臭いまま明里の家行くのいやだから準備してくる!」
「わかった、待ってるね!」
さっきまで暑さでしんどそうだったのに、急に元気になった明里さんだった。
とりあえず玄関に入ってもらって、俺は部屋に上がって急いでボディシートで身体を拭いて、パンツだけ着替えてから明里さんの元へ戻った。
それから明里さんの家に着き、2人で玄関を入ってリビングへ。
「ただいまー、直樹連れてきたー」
「お邪魔します」
「あぁ」「いらっしゃい、外暑かったでしょー」
リビングでテレビを見ていた愛菜さんと剛志さんへ挨拶を済ませる。
「先部屋行ってエアコンつけててー、パパッとシャワー浴びてくるから」
「わかった」
彼女のシャワー浴びてくる宣言にドキドキしながらも、愛菜さんと剛志さんがいるリビングから明里さんの部屋へ向かった。
いつものようにエアコンをつけてから、用意してくれている部屋着へと着替えた。
スマホを眺めながら少し時間を潰し、部屋が涼しくなってきた頃
「おまたせ!お茶どうぞ」
と、風呂上がりの明里さんが自分と俺の分のお茶を持ってきた。
髪は濡れてないあたり、本当にパパッとシャワーだけ浴びてきたんだろう。
服も主人公ワンピースからいつもの部屋着になっていた。
「服も着替えたんだね」
「うん、汗の匂い気になっちゃって…あれ?ちょっと残念そうな感じ?」
「残念っていうかよく似合ってたからね」
「えへへ、ありがと!そっかそっかー、ワンピースの私が可愛すぎちゃったかー」
恥ずかしそうにそう言う明里さんだが、まさにその通りなため、なにも言い返す事がない。
返事がない俺にどんどん顔が赤くなっていき、小さな声で「あ、ありがと…」とモジモジしだした。
なんだか甘酸っぱい空気が流れ出し、とりあえず持ってきてくれたお茶を飲んで気を紛らわせる。
俺の隣に〝ぽすっ″っと座った明里さんは残念そうな声色で「渡辺くん負けちゃったね」と溢す。
「うん…涼也推薦取れるといいけど…」
ふと気になった事があった。
「そういや、今日話してたみんなでプール、乗り気じゃなかったよね?嫌?」
「うーん、逆に聞くけど、私の水着姿、他の人に見られてもいいの?」
…そう言われるとそりゃ見せたくはない…赤の他人ならまぁ気にしないようにすればいいけど、同級生となると気になるな。
「あー、そう言われると嫌かな…」
「直樹になら恥ずかしいけど見られても大丈夫だけど…」
恥ずかしがる明里さんの水着…見たい!
「夏休みのどっかでさ、2人で海!海いかない?電車で!」
「…2人でならいいよ」
いよぉぉっし!!
「やった!約束だよ?」
「完全に私の水着目当てでしょー!混んでるのも嫌だし、どこかいい場所あるかな?」
「親に許可も貰わなくちゃいけないし、父さんと母さんにどこかいい場所無いか聞いてみるよ」
「そうだね、私もパパとママにきいてみるね!」
海の話も纏まり、疲れたのか俺の膝を枕にして横になった明里さんはすぐに静かになった。
よほど疲れたのだろう、そっとしておこう…。
サラサラと流れる髪を手櫛で撫でなでていると、時折「うぅん」という声が漏れる。
涼しい部屋でベットにもたれていると俺も眠たくなってきた………
「……き」
「直樹」
膝に感じていた明里さんの重みが無くなったと思ったら俺を呼ぶ声がした。
「直樹!もう夜になってるよ!」
…夜?
その声にハッと目を開けると窓の外は暗くなっていた。
「おはよう!」
「お、おはよう、今何時?」
「7時過ぎてる!私たち思いっきり寝てたね」
スマホを確認すると母さんから6時にLINEが来ていた。
《晩ご飯いるならLINEして》
「うわ、だいぶ前に母さんから晩ご飯のLINEきてた…」
「ウチで食べてく?ママに聞いてくるよ」
今から返事を送ったとしても小言を言われそうだし…
「迷惑じゃないかな?」
「大丈夫!ちょっと聞いてくるね!」
そう言って部屋を出ていく明里さん。
とりあえず立ちあがろうとすると、「いてて」
左足が完全に痺れていてうまく立てたなかった。
3時間ほども膝枕してたらこうもなるか…
正座した後のようなビリビリと襲ってくる感覚と戦っていると、明里さんが戻ってきた。
「晩ご飯直樹の分もあるって!って足痺れちゃった?ごめんね!」
産まれたての子鹿のような俺を見て笑いながらも謝ってきた。
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