125話
その姿を見て、ウズウズと抑えられない衝動が俺を襲う。
怒るかな?大丈夫かな?
そう思いながらダラーんとしている明里さんの隣に座る。
こっちを見ていないことを確認した後、襲ってくる衝動に身を任せた。
〝つん″
「あふ!なにしてるの!?」
可愛い声を出してガバリと起き上がった。
「…ごめん、つい…」
謝りながらも未だに指を離さない。
「そろそろこしょばいんだけど…」
そう言われてやっと指を離した。
「びっくりしたぁ…急にどうしたの?」
「いやぁ、そこに穴があったからといいますか…」
ついでに触ったお腹…めっちゃスベスベだった…
そう、俺が襲われた衝動というのは、明里さんのおへそに指を入れるということだった。
「変なのー、普通のおへそだよ?ほら」
と、言って服をペラっとめくる。
なぜかまたもや視線がおへそに吸い寄せられる。
「めっちゃ見るじゃん」
顔を赤くしながら服を戻された。そしてなぜか残念な気持ちになる俺。
自分では気づかなかったけど、もしかしてへそフェチだったのだろうか…
そんなことを思いながらも、母さんに晩御飯のことを聞かれていたのを思い出した。
「あ!明里、母さんが夜ご飯食べて行く?って聞いてたんだけどどうする?」
「いいの?」
「うん、冷やし中華だから夜も麺になっちゃうけど、明里がよかったら」
「やった!食べる食べる!」
「わかった、母さんに言っとくよ」
すぐに母さんにLINEを送っておいた。
それから夜ご飯の声が掛かるまでの間、マッタリと2人で過ごした。
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「頂きます!」
「せっかく明里ちゃんも食べるならもっと豪華なメニューにすればよかったのに」
「悪かったわねー、こんな物しかないけどごめんねー明里ちゃん」
姉ちゃんの文句を適当にあしらう母さんに
「我が家に娘がもう1人増えたみたいだなぁ」
のほほんとしてる父さん。
俺は黙って冷やし中華をすすった。
「美味しいです!」
そう言って本当に美味しそうに食べる明里さん。
姉ちゃんと母さんが騒がしく、父さんと俺が静かなウチの食卓に、明里さんがいるという不思議な感覚の中なんとか晩ご飯を食べ終えた。
食事の後、流石に外も暗くなって明里さんを家まで送ることに。
外に出ると昼間に比べて少し暑さもマシにはなっていた。
「これぐらいの暑さならこうやっても大丈夫だね!」
俺の左腕に抱きつきながら手を繋ぐ明里さん。
薄着故に俺の左腕は幸せに包まれる。
この時だけは夏が好きになる。
「それにしても千晴達いつの間にあんな感じになったんだろうね」
「瑛太からも何も聞いてないからね」
元々両想いだったのはかなり前から分かっていたけど、あの様子ならもう付き合っているだろう。
「んー、気になるなぁ…ちょっとまって、千晴にLINEする!」
立ち止まって片手は繋いだままスマホを操作する明里さん。
「よし!あとは返事待ち!」
そう言ってポケットにスマホをしまって再び歩き出した。
そのまま明里さんの家に着くまでに椎名さんからLINEが返ってくることは無かった。
「結局返事無かったね…送ってくれてありがと!明日8時半ぐらいに迎えに行くね!」
「うん、寝坊しないように気をつけるよ」
明日の時間を決めた後、いつものように明里さんの家の道から見えないところまで行って、お互い抱き合いながら唇を合わせる。
ちゅっ、という音を鳴らしながら離れる唇。
「…気をつけて帰ってね」
「うん、またね」
明里さんに見送られながら自分の家へと帰った。
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次の日
寝坊せずに起きれた俺は、昨日母さんに朝からサッカーを応援しに行くことを言っておいたおかげで用意してくれていた朝ごはんを食べ、準備を終えて明里さんが来るのを待った。
8時半ちょうどに家のインターホンが鳴った。明里さんが来たみたいだ。
「おはよう」
「おはよ!」
玄関を出ると髪型をポニーテールにしている明里さんがバッテリー扇風機を片手に笑顔で迎えてくれた。
今日はたまにあるポニーテールの日らしい。
うん、可愛い。
「今日も暑いね!」
まだ朝だというのにムワッとした空気にげんなりする。
「こんな暑い中サッカーで走り回る人達はすごいよ…俺には無理だ…」
俺は一応トートバッグを持ってきていて、バッテリー扇風機とタオル、あと一応うちわを用意している。
歩くたびにゆらゆらと揺れるポニーテールをチラチラ見ながら、うるさいほどの蝉の合唱を聞きながら駅へと向かった。
駅に着くとすでに瑛太と椎名さんが待っていた。
なんと無く瑛太達2人の距離感が近い。
「おはよー!」
「おはよう」
挨拶すると、そこでやっと俺たちに気づいたのか少しだけ瑛太と椎名さんが離れた。
「お、おいっす」
「お、おはよ」
なんだかよそよそしい感じ。
「えっと、ちょっと明里こっち来て」
「なになに?」
明里さんと椎名さんが少し離れた所に移動した。
瑛太と2人きりになったので、昨日のことを聞こうと思った俺はストレートに聞いてみることにした。
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