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藤原夏良  作者: m@ho
桓武天皇
21/76

21.正五位上⑤

【人物】

藤原夏良 主人公 15歳。 10歳の時、高熱から前世の記憶がよびおこされる。 父親は藤原冬嗣。藤原北家


大伴弟麻呂(おおとものおとまろ 生没年 不明- 809 公卿・武人。大和守・大伴古慈斐の子。史料に見える初の征夷大将軍。官位は従三位・東宮傅。勲等は勲二等。

西暦801年 延暦20年12月 平安京内裏つまり天皇の居所である。

桓武天皇、神野親王と藤原夏良家族3人で論議していた。


「蝦夷の平定をしないと国民の平和が来ないんじゃ」

「何故、蝦夷討伐をしようと?」

「律令制を蔑ろにしたので報復じゃ」

「蝦夷討伐の必要性から検討しないといけないのです」


「反対する者の意見を聞きましたか?」

「何も提言は無かったが」


「蝦夷から防人の赴任までの負担はや衛士の負担は他の国と同じと思いますか?」


「どの国も同一の対応なのが律令制の原点である」

「概念はそうでも、実際は違います。赴任先への旅費などは全て負担者であり、距離が遠いほど負担はより多くなります。しかも蝦夷は当時の国司の悪政により多くの負担を強いていましたので、反乱が起きたのは必然です」


「知っていたか?」


「はい」「はい」神野親王と坂上田村麻呂の二人とも答えた。

「何故、誰も提言せぬのだ?」


「貴族に都合の悪い事は正しくは伝わっていない事も多くあります。今回は特に、悪者を祭るには良い状況でした。」

「なるほど」


「貴族の力でこの国の力が蓄積されてくる事に異論はありませんが、多くの民が強いられてくるので調整は必ず必要です。今の仏教の教えでも、階級社会が良しとされています。曲げられた教えでは無く、大陸の仏教の教えを広める事も必要です。神の国にも仏が民の心に浸透しています。これは未来である神への敬いに対し過去のご先祖を敬い反省する仏の心と思います」


「分かった。遣唐使に仏教関係者を強化しよう。治部卿を呼んでくれ。誰だったかの?」

大伴弟麻呂(おおとものおとまろ)氏です」坂上田村麻呂将軍が即答した。


神野親王が控室に向かい指示したようだ。


「そうだったな、元上司だし、前任の征夷大将軍だしな。」

「はっ」と言いながら藤原夏良を立たせて、部屋の奥にある部屋へ誘導した。

60歳近い年配の元将軍がドタドタと急いで来たようだ。

浅紫色の官服を着た老人が入って来た。

入ってくる時に藤原夏良は顔を布で塞ぎ、隣室へと滑り込んだ。小さな物置であるが人一人が入れた。背中で扉を閉めた坂上将軍は広間中央へと戻る。

「治部卿よ。仏教を学びに唐へ行くものはおらんかの?」


「はて? どうしてご存知なのですか?」不思議な顔をする大伴 弟麻呂おおとものおとまろ


「何のことだ?」


「いえ、来年の遣唐使に乗せて欲しいと言う者が二名おりまして。」


「おお」全員が驚く。


「で、学んで来れそうか」

「最高の人材と聞いております。名を、最澄と空海の二人です。」

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