20.正五位上④
【人物】
藤原夏良 主人公 14歳。 10歳の時、高熱から前世の記憶がよびおこされる。 父親は藤原冬嗣。藤原北家
藤原乙牟漏、760年〈天平宝字4年〉- 790年4月28日〈延暦9年閏3月10日〉)は、日本の第50代天皇・桓武天皇の皇后。平城天皇・嵯峨天皇の生母となった。藤原鎌足の玄孫にあたる。藤原式家
沈黙の間、言葉が見つからない三人。
そこに入ってきたのは直衣姿の藤原夏良ならぬ神野親王である。
「ほほう。」開いた口が塞がらない。とはまさに今。という感じの桓武天皇。
「なるほど。やはりそういう事だったんだ。やっと会えたか。弟よ」
全員が神野親王へと目をやった。
「どうしてご存じなのですか」
「皇后が亡くなったとき、小さすぎた私に、『あなたには弟がいるの。探してあげて』と言われたのですが、子供の時の記憶が正しいのか、間違っているのかがずっと分らずにいたんです。誰かに聞くわけにもいかず、探せてあげられず申し訳ない」
状況がつかめていない桓武天皇。
「ご説明します。帝」坂上田村麻呂将軍が説明した。
「双子としての跡継ぎだと、争いの種になるとして殺される運命であった、夏良親王と呼んで良いのか分りませんが、夏良親王を助けるために、亡き皇后様が親戚を頼ってお預けになったのです」
「なるほど。藤原冬嗣には褒美をやらんとな。しかし、何故今なのじゃ?」
「養父は、表だってではなく、今後にご褒美をいただければ喜ぶかと思います。また、今なのは、私が思った以上に目立ってきてしまったからです。帝が私の名前を知るほどに」
納得されたようだ。
「確かに。今後成長していく二人だと気がつく人が多くいそうだな。さて、今後はどうするのだ?」
「せっかく、私以外は知るべき方が勢揃いしております。ここで話し合うべきかと」坂上田村麻呂将軍が提言する。
「そうだな。私としては宮中に入って欲しい。そして天皇家を守って欲しいと考えている」
「私は帝と同じ意見です」
「私は今のままで、貴族側から天皇家を守れれ良いかなと思っております。その方が、多くの情報を得る事ができ、正しい道へ導く事が出来ます。ご存知ではないと思いますが、貴族の力は今後ますます強くなります。強くなるのはいいのですが強くなりすぎないように統制する事も天皇家の役目であります」
「分からないので教えてくれ」
「例えば、私のいる藤原家は非常に強固な権力を持ち、4つの派閥で争っています。他に橘家、大伴家、百済家など多くの派閥がひしめいております。
このように、派閥争いが平均的に行われてるからこそ、良い状態なのです。」
「なるほど」
「坂上田村麻呂将軍のように実戦経験のある叩き上げの将軍を今後も起用し、抑止力として貴族外からの登用も重要ですし、最終判断はあくまで帝がすべきなのです。帝に力がないと今後貴族の思惑に動く事が多くなってしまいます。近い将来にそうなる可能性がある。と言う事にすぎません」
「優秀な人物の起用が必要ですが、仏教などの指導者を増やして、民と貴族の教養の底上げも必要です」
「貴族の中でも、文字を読めない者も増えてきており悩みどころなんじゃよ」
「世襲には良い面もあれば悪い面もありますので、加減が重要です」
「やはり近くに居てくれるとありがたいのだがな」
「大丈夫です。そんなに大きな変化は起きません」
帝が崩御された後が大きく変わるんだよな。
「兄を一生補佐する事をお約束します」




