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異世界転移した音楽家、『音』で味方をバッファーする  作者: どらむ缶
第1楽章:音楽がない異世界

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第1番『始まりのト音記号』

 僕の名前は戸塚和音、しがない音楽家だ。

 普段は暇があったら楽器やったり作曲したりと気ままに音楽活動をしている。


 …そんな僕は今、人生最大のピンチに瀕している。 


「なんで、僕が目の前で倒れているんだ…?」


 そう、目の前で自分が床に倒れているんだ。

 しかもなんか僕、今ふわふわ浮いてるし!なんなら頭の上に輪っかあるし!


「さすがに5徹でパソコンに向かって作曲はまずかったか…?」


 でも仕方がないじゃん!大物Youtuberさんにオリ曲卸してくださいって依頼されちゃったんだもん!そりゃあ張り切っちゃうよね!!


「いやーでも困ったな…一人暮らしだから同居人も誰もいないし…ってなんか僕どんどん上に向かって上昇してない!?」


 これはもう完全に助からないやつでは?諦めて死を待てと?

 せっかくデカめの依頼を貰えたのに?

 いやだ。絶対に音楽はやめたくない!もう一度生まれ変わっても、いいや何百回生まれ変わっても、


「音楽は続けてやるんだー!!」


……あれなんか周りに何もない空間に来ちゃったな。これが…天国?


「それがきみの願い?」


 ん?何か声が聞こえるぞ?いや、疲れてるんだ。

 僕はもう死んだんだし、声なんて聞こえるはずがない。


「…無視するなんていい度胸ね。このまま地獄行きでもいいのよ?」


 えっ?地獄?いやいや流石にそれは困るというかなんというか!

 すみません無視をしたつもりはないんです!!


「まぁならいいわ。私は大女神。少しばかり暇だったから、死人の願いをひとつ叶えてあげようと。」


 僕は幸運なのだろうか、不幸なのだろうか分からないが、また音楽ができるなら願ったり叶ったりだ。


「なら今からきみには異世界に行ってもらいます。転移と転生を選べるけど、どっちがいい?」


 …は?異世界!?なんかスライムとかドラゴンとかがいる!?

 …っていうか転移と転生の違いって何?


「まず1つ目の質問に答えると、異世界の認識はあなたの認識で合っているわ。そして2つ目。転移っていうのは今のきみの身体をそのまま異世界に送ること。転生ってのは身体ごと異世界で作り替えちゃうこと。分かったかな?」


 分かりやすい説明どーも。なら、転移でお願いします。

 子供ともなると出来ることに制限もあるし。

 ピアノなんて弾こうと思ったらオクターブ上も指が届かないだろう。


「分かったわ。ならきみを今から『異世界』に転移させるわ。あと、言語は分かるようにしておくから。それじゃあ送るわよ。」


 ……目が覚めるとそこは、だだっ広い平原だった。

 こうして、僕の日本での作曲活動は終わった。

 だが今は異世界にいる。今度こそ、異世界で音楽ライフを満喫してやる!


「……って言っても、何からすればいいか分からないなぁ。」


 そうだ。僕は音楽をやりにこの世界にに来たんだ。

 それなら人がいそうな村でも探すかな。


「まぁ、少し歩いて旅でもしますか。」


 ……体感3時間ぐらい歩いたんだが、一向に村が見つからない。足も流石に疲れてきた。


「近くの森で休むか。」


 こうして森で休んでいると、何やら森が騒がしくなってきた。どうにも、風で木が揺れているとかではなくバタバタとした、何かと戦っているような感じの音が。


 なので、その騒がしい音が聞こえる方へ行ってみることにした。

 人がいるかもしれないし。ほんの数分歩いてみると、剣を持った銀髪のショートヘアの女の子が謎の生物の群れと戦っていた。


「くっ…この魔獣め、集団で襲うなどと。何匹も倒しても湧いてくる…このままだと、体力を消耗しきってしまう…」


  あの銀髪の子はかなり満身創痍で疲れ切っているたいで、流石に助けに入った方が良さそうだ。


「大丈夫ですか、そこのお嬢さん。」


「誰!?まさか、新手の魔獣じゃ…」


 いや、だれが魔獣だよ。そんなに化け物みたいか僕は…


「いいえ、あなたが多勢の魔獣に囲まれているのを見て、助太刀に参りました。」


少女は少し考えた後、こちらを向いた。


「いえ、魔獣だなんて言ってごめんなさい。助太刀はありがたいわ。ただこの魔獣の数、2人いても厳しいかもしれない…」


「まぁ、任してくださいよ!」


 ……なんて女の子の前だからって見栄張っちゃったけどさ!僕、生まれて今まで音楽に全てを注ぎ込んできたから運動できないぞ!

 …あぁでも日本では頑張っている人を応援するために応援歌があったよな!?もうそれで応援するしかない!


「お嬢さん!頑張って下さーい!」


 こうして僕は応援歌を即興で考え歌ってみた。終わってる。助太刀がなんか歌を歌い始めたなんて。


「…!?なぜだ?あの男性の謎の呪文のようなものを聞いた途端、身体が急に軽くなったぞ…今なら、魔獣を全て倒せる!」


 その瞬間、目の前から彼女が消えた。というより、僕が見えないほどの速さで動いたのだろう。

 次に僕が目を開けると、魔獣が全て倒されていた。


「……は?魔獣が?一瞬で?」


 僕が謎の応援歌を歌い始めた途端、銀髪の少女が一瞬で魔獣を倒してしまった。

 応援歌って、こんな効果あったのかよ…でもまぁ、これで一件落着か。


「じゃあ、僕はこれで…」


「待って!私の村に一緒に来ない?…というか、あなたの謎の呪文も気になるし…」


 ん?謎の呪文?僕の応援歌のことか。そんなに変なものに聞こえたのかな。


「謎の呪文って応援歌のこと?歌ったりしたことない?」


 そんなことを言ってみると、少女は首を傾げた。


「その…『おうえんか』ってなんだ?というか、『うたう』ってなんだ?」


 ……は?もしかするとこの世界は…いいやそんな訳がない。

もし自分の仮説が正しければ、あの大女神はとんでもない異世界に飛ばされてしまったのかもしれない。


「なぁ、音楽って聞いたことあるか?歌とか、楽器とか、例で言うとピアノみたいな。」


 少女はきょとんとしている。やっぱりだ。僕は、音楽というものが存在しない世界に来てしまったようだ。

 終わった…せっかくの2度目の人生なのに、大好きな音楽も満足にできないなんて…


そんなことを考えていると、少女が口を開いた。


「まぁ謎の呪文は一旦置いておいて、ついてきて。私の村に案内してあげる。」


 まぁ、一旦村に行ってみるか。

 ワンチャンただ彼女が音楽を知らないだけかもしれないし、

 それにもしこの世界に音楽がないのなら、僕がこの世界に『音』を広めてやる!

みなさま初めまして!どらむ缶といいます!この小説をお読みいただきありがとうございます!まだ第一話しか出していませんが、気ままに小説を書いていきたいと思います、ちなみに、作者は元吹奏楽部員で、現在はドラム、ピアノ、ギターそして実際に作曲もしています!どらむ缶という名前は、ドラムから来ています!では、お話はこの辺にして。みなさまがこの小説を好きになってもらえるように頑張っていきますので、応援よろしくお願い致します!

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