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逃亡聖女は引き籠もりたい  作者: 橘可憐


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ありがとうございます


ローズちゃんは朝は宿泊施設でマリーさんを手伝い

調理の補助をしたり給仕の手伝いをこなし

その後フィリス師匠の下で聖女の修行をして

夕方からは温泉施設で冒険者達に教えたり叱ったりと

とても忙しい毎日を過ごしていた。


本当に私には真似出来ないし頭が下がる思いで

寧ろローズちゃんにもバイト代が必要だろうと思っていた。


すると思いの外早くに復帰したシルフが

「今日はローズちゃんと遊ぶ約束をしているの~」と

ローズちゃんの周りから離れず付いて回っていた。


どうやらフィリス師匠が決めたローズちゃんのお休みの日らしい。


しかしローズちゃんは朝は変わらずマリーさんを手伝い

その後ずっと温泉施設に籠りマリーさんを手伝ったり

冒険者達の相手をしている様で

お休みはどうしたと言いたくなる程だった。


それなのに一緒に遊んでいる気になって

シルフ迄が纏わり付いていてる様子は

まるでシルフをお守りしている様で

ローズちゃんは休みを作らない方が良いのじゃないかと思っていた。



私は余計な口出しかと思ったが

「ローズちゃんは今日はお休みじゃ無かったの」と聞いてみた。


「そうなの、初めてのお休みだから嬉しくて」って

この世界の休みっていったいどう言う事なんだと

物凄く疑問が沸いてしまって

「お休みなのにお手伝いしているの」とさらに聞いてみると

「シルフちゃんに遊んでもらってるよ」と笑顔を浮かべている。


何て健気で働き者なんだと私は心から感心していた。


「そんな子にはご褒美をあげましょう」と

私はアイスクリームを購入して渡すと

「私も欲しいの~」とシルフもねだって来たので揃って渡し

「みんなには内緒ね」と秘密の共有をしたのだった。



そう言えばエドガーもマリーさんにも

休日の話をしていないし決めてもいなかったと反省して

急ぎエドガーの所へ行き話をした。


「エドガー私ってば休日を決めるのを忘れてた」

私がそう言うと

「用事がある時や具合が悪い時は休ませて貰います」と

話し合いにならない返事が返って来て

「そうじゃなくて定期的に休みを決めようよ」と

さらに突っ込んで話をすると

「とても楽をさせて貰っているのに

その上に休日を貰うなんて考えていません」と言う。


何の話だと思っていると

そもそも普通は朝の水汲みから始まって

料理にしても洗濯にしてもその労働は大変らしい


ましてやお姫様体質のフィリス師匠の世話となったら

仕事の他にそのすべてをこなすために

下手したら夜中まで働くのは普通の事だったらしい。


しかし今は水くみはしなくても良いし

料理も簡単に出来るし洗濯も機械がしてくれて

こんなに楽が出来るなんて夢のようだと言うのだ。


すでにもうこの地を離れての生活など出来ないと力説した後に

「なのでお休みを貰うなんて申し訳ない」と言い切っていた。


そんな風に言われてしまうと私は何も言えず

「でもお休みはなるべく取ってくださいね」とだけ言って

おずおずと引き下がってしまった。


次にマリーさんの所へ行って同じくお休みの話をすると

やはりエドガーと同じ様な話をされ

「子供じゃ無いのだから休みなどそう必要ありません」と

きっぱりと言われてしまい私はまたもや引き下がってしまった。


この世界の人達って本当に働き者なんだと感心したけれど

本当にそれで良いのだろうかと思うばかりだった。


もっとも冒険者達で溢れかえっているこの状況で

エドガーやマリーさんに今お休みされると

私には同じ様に働ける自信がまったく無いのだから

すぐに困った事になるのは明らかなので

辞退された事は有り難い話なのだけれど

やはり何処かモヤモヤした気分が残っていた。



ノームも道を作ると出て行ったきり帰ってくる気配が無くて

どうしているのか心配でもあるし

ロックさんとサラマンダーもそろそろ街に着いた頃だろうし

気を配らなくてはならない事が多すぎて

何から手を付けて良いのかとオロオロするばかりだった。


そして帰る様子を見せる冒険者が居ないのに

新たな冒険者達がポツポツと現れる様になっていて

それもどうしたもんかと考えていて

誰かに相談したいと思って初めて気が付いた。


最近アウラが私の傍に居る事が少なくなっていないか?


もしかしてまた何処かで一人で無理しているんじゃないだろうか

私は無性に心配になってアウラを探した。


私がアウラを探し回っているとウィンディーネが

「そんなに慌ててどうしたのぉ」と声を掛けて来た。


ウィンディーネはまだ居酒屋キッチンカーを開店していないのに

その辺りに陣取り冒険者達の案内や相談に乗っている様だった。


たぶんきっと不埒な冒険者が居ないか

何気に見張ってくれているのだろうと私はそう思っていた。


「アウラの姿が見えないからちょっと心配で」と答えると


「アウラなら森に出かけているわぁ、

あの子の日課みたいなものじゃないのぉ、

ノームの事もあるしちょっと時間が掛かっているだけよぉ」と

何を今さら言っているんだと言う雰囲気で言われた。


「愚痴なら聞くしぃ相談なら乗るわよぉ」と

またまたウィンディーネに心の内を見透かされていた。


「それよりぃ冒険者のお昼ご飯を何か考えないとぉ

冒険者もマリーさんも大変そうよぉ」と助言して来た。


そう言えば朝食は宿泊施設に泊まっている人には出すけど

休憩所などで寝泊まりしている人の分は考えていなかった。


居酒屋キッチンカーのオープンは夕方からだから

日中ご飯にありつけない冒険者が居ると言う事か

私も本当に迂闊だった、考えが足りないと言うか大失敗。


ご飯が一番儲かるのに肝心の所でぬかるなんて

ましてやマリーさんに余計な仕事を押付けていたとは

いつもながら私ってば本当にダメダメだ。


早速簡易休憩所と温泉施設に

軽食の自動販売機を設置する事に決めてノームの帰りを待った。


そして居酒屋キッチンカーの開店時間を早め

食事のメニューを増やす事にして

早速等価交換様にメニューの発注をしようとして驚いた

等価交換様の現金表示がまたまた増えていた

それも軽く1億円超えでだ。


昨日開いた時はそんなに変わりは無かった筈

って事は今日一気に増えたって事だよね?


「本が大量に売れました」等価交換様は事も無げに答えた。


「本ってそんなに大量に売れる物なの?」


「とある国が買い占めようとした様です」


「いったいどんな本を買い占める必要があるの?」


「攻撃魔法の書ですね」


「もしかしてそれってヤバいんじゃないの?」


「平気です」


「どうして平気って言いきれるのよ」


「魔法書があっても使えるかどうかは才能次第ですし

私が発注と販売をしているので買い占めは出来ません

寧ろ上得意のお客様になります

これから他国も同じことを考え出したら

さらに売れる事になります」って

等価交換様は最近の私の影響か何処かの悪代官の様だった。


「本当に大丈夫なんだよね?」私が改めて確認すると


「値崩れするまで売る予定です」


「そう言う意味じゃなくて世界情勢とかそっち方向で」


「国のお金で魔法を覚えられる人が増えて幸いでしょう」


「うん分かった、良く分からないけど

私には大した影響もなく稼げるって事だね」


「そうです」


「それじゃ私は信じて任せるよ」

私は私が世界情勢など気にしてもどうしようもない事を悟り

魔法の書に関しては等価交換様に任せる事にした。


「鉱物も高く売れる物を見つけましたので

そちらの利益も大分入っています」


本以外でも利益を得ている事を報告する等価交換様に

彼方の世界に鉱物売って此方の世界に印刷技術を売って

等価交換様は本当に商売上手だと感心し

今お金がいくらあっても足りないこの状況でのこの利益を

心から感謝し喜んでいた。


これでしばらく私が忙しく動いてポーション作れなくても

お金の心配はしなくても済むって事ですねと

胸を撫で下ろしていた。


等価交換様本当にありがとうございます。


私に等価交換様が居てくれた事を本当に感謝します。


私は心からそう思っていた。



読んでくださりありがとうございます。

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