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逃亡聖女は引き籠もりたい  作者: 橘可憐


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温泉のお作法


ロックさんとサラマンダーを見送った後

そう言えばとふと思い出し二人に聞いてみた。


「温泉にはもう入ったの?」


すると二人は何故か不思議そうな顔をして

「温泉ってどうやって入るか分かりませんので」と言う


この世界の人達には入浴の習慣が無いらしい。


じゃぁ当然フィリス師匠も知らないのだろうと思い

フィリス師匠も誘って温泉のお作法を教える事にした。


フィリス師匠は当然の様に入浴の経験はありますと言っていたが

温泉にはとても興味があった様で

私達と一緒に入る事を快く受け入れてくれた。


そうして掛け湯から始まり初めに体を良く洗う事や

タオルはお湯につけないなどの作法も教えて

浴室内は走らない事やお湯の中で泳がない事などは

特にローズちゃんに念を入れて教えると

ローズちゃんは「分かりました」と素直に返事をしていた。


そしてフィリス師匠もマリーさんもローズちゃんも

当然温泉は初体験だった様で初めは物珍し気にしていたが

お湯に浸かり出すととても喜んでいた。


私は炭酸泉も露天風呂もどれもこれも好みだったので

そのどれもこれもに順番に浸かって行ったけれど

ローズちゃんは体中にブクブクと泡が付く炭酸泉をとても気に入り

体に着いた泡を手で擦り落としては面白そうに燥いでいた。


フィリス師匠とマリーさんの大人コンビは

特に露天風呂が気に入ったらしく師匠は露天風呂から出なかったが

マリーさんはやはりローズちゃんが気になるらしく

炭酸泉と露天風呂とを行ったり来たりしていた。


私はその様子を見ながらやはりお母さんは大変だと思っていた。


そうして温泉を十分に堪能した後で休憩所にあがり

やはり水分補給は大事だと確信して

休憩所にウォーターサーバーとそして

等価交換様にこの世界の硬貨が使える様に改造して貰った

紙パックの牛乳やジュースを売る自動販売機を置いた。


しかし問題な事にこの温泉施設には電気が通っていなかった。


折角購入して置いたのに使えないのはまったく持って頂けない


そこでノームに頼んでここにも電気を通して貰う事にしたが

私の家からここまで結構距離があるし

電力量が私の家のソーラーパネルで賄えるかが心配になり

結局温泉施設や居酒屋キッチンカーなどにも

十分電力を回せるだけのソーラーパネルを

近場に場所を作り設置する事に決めた。


そして早速エドガーを呼び出しその話を説明して

ノームと一緒に作業してくれるように頼んだ。



すると最近ノームを師匠と呼んで

あれこれ勉強していたらしいエドガーから提案があった。


「宿屋を作ってはどうか」と

温泉と居酒屋キッチンカー目当てで

きっとココに長期滞在する人も出て来るだろうと言うのだ。


そう言う人たちに合わせた宿泊施設を作れば

この世界のお金も獲得しやすくなるので

エドガーも快くお給料を貰いやすくなると言うのだ。


私より色々考えてくれている様子にびっくりしたと同時に

またまた私の不甲斐なさを実感してしまった。


そしてマリーさんと言う手伝いも増えた事で

今なら宿泊施設の運営もそう難しくは無いだろうと言うのだ。


私はその提案に頭が下がる思いだった。


私よりもココの事を考えてくれている気がして嬉しかった。


ココが賑やかになって行く事に不安が無いと言ったら嘘になるが

こうやってエドガーやロックさん一家が住み着き

冒険者達の対応も考えている今ココに村の一つ位で来たとして

それはどうしようもないのかとそんな覚悟はしていた。


幸い私の自宅からはこの場所は少し離れているし

最悪村の管理はエドガーにすべて任せ

私は自宅と師匠の家の移動だけで引き籠れば良いのだと

そんな事も考えていた。


ただ悩ましいのはココが観光地の様に賑やかになり過ぎるのは

やはりどうも気が進まないと言う思いだった。


かと言ってこの世界のお金の確保は重要事項だし

エドガーやマリーさんにお給料も出さなくてはならないし

本当にすべてが私の望むようにはいかない物だと

何となく気が重くなりつつあった。


しかし居酒屋キッチンカーの傍に建てた簡易休憩所は

お金のない冒険者達にそのまま残し

お金を払えそうな人達用の宿泊施設を建てる事に同意して

その設計などはすべてノームとエドガーに任せる事にした。


そしてその運営もマリーさんと良く話し合って決めてくださいと

すべてをエドガーに丸投げした。


私に相談されても私にはその専門的知識などまるで無いので

私に出来るお金の心配だけをしておこうとそう決めた。


面倒臭い事はすべて押付け逃げたと言われても仕方ない

そう思っていた。



そうしてノームが来たのを幸いにして話を始めると

ソーラーパネル設置する場所を瞬く間に開拓して

「さっさと現物を出せ」と言われて私は慌てふためいた。


そう言えば等価交換様の現金表示がかなり減っていた。


最近は表示金額をあまり確かめもせずに買い物していたし

久しぶりの大きな金額の買い物に

もしかしたら購入金額が足りないかもしれないと心配になり

慌てて等価交換様の現金表示を確認すると

思っていた以上に現金がある。


と言うか最後に確認した時よりかなり増えている気がする。


何でだ?としばらく考えてから

そう言えば等価交換様に転売商法を頼んでいたんだったと思い出した。


でもあれからまだ何日も経っていない筈なのに

そんなに増えても良いのかと言う程に増えていた。


私は思わず等価交換様にどの位増えたのかを聞いてしまった。


すると等価交換様は何という事無く

「1億円には届いていません」と答えている。


「そんなに儲けちゃって大丈夫?」私が聞き返すと

「大丈夫とは何がでしょう」と

私に質問を返して来た。


「いやほら、根が貧乏性だから自分自身が何もせずに

そんな大金を手に入れる事に後ろめたさを感じると言うか

そんなにいっぺんに稼いで何か弊害が無いのかとか

余計な心配が頭を過ってしまうんだよ」私がそう答えると


「それなら大丈夫です、私の能力はあなたの物です」と

きっぱりと言い切られ、それなら何も言うまいと

有難くお金を使わせて貰う事にして

気前良くソーラーパネルとその他の備品とを購入して

ノームに設置をお願いした。


そのお陰で居酒屋キッチンカーの周りを

電飾で賑やかに飾る事も出来たし

簡易休憩所やトイレや温泉施設にLEDライトや外灯も付け

辺りをかなり明るくすることが出来た。


そしていよいよ自動販売機に通電され利用可能になった。


中の飲み物の入れ替えや補充は

後でエドガーに教えればきっと十分にやってくれるだろう

私はそう簡単に考えていたが私は使える硬貨を持っていなかった。


と言う事はもしかしてフィリス師匠やマリーさん達も

折角置いたこの自販機を使えないと言う事かと頭を抱えていると

自販機を見て驚きコレは何だとフィリス師匠が聞いてきたので

説明を始め実は硬貨の持ち合わせが無くてと言うと

マリーさんが懐から硬貨を取り出し差し出して来た。


なので有難くそれを受け取り商品の説明をしながら

ローズちゃんに何を飲みたいか聞いてからソレを購入して見せた。


初めは物凄く驚いていたが

ローズちゃんが美味しそうにリンゴジュースを飲む様子に和み

マリーさんがフィリス師匠の分と私の分と自分の分も購入して

それぞれに手渡してくれた。


私はお礼を言って遠慮なくコーヒー牛乳をご馳走になった。


それからウォーターサーバーの使い方も教えておいた。


「これでお作法のすべては教えましたから

いつでもこの温泉を遠慮なく利用してください」と

何度も念を押しておいた。


そしてやはりこの世界の硬貨の確保と

エドガーやマリーさんにきちんとお給料を払わなくてはと

改めて考えさせられていた。


そしてその後エドガーに新たに温泉施設に設置した

ウォーターサーバーや自動販売機の説明をして

エドガーにも温泉はいつでも自由に利用してくれる様にと

やはり念を押しておいた。



読んでくださりありがとうございます。

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― 新着の感想 ―
[一言] 宿屋まで経営してお金を稼ごうとしていますが、何十億と貯めていた金額が家数件建築とお酒にほぼ消えてしまったということなのかな。めっちゃ高い酒ですね。
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