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逃亡聖女は引き籠もりたい  作者: 橘可憐
第一章 1

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ポーションいろいろ


私はいつもの様にフィリス師匠の家で調合をしていた。


等価交換様に保存してあった薬草はすべて使い果たし

新しく薬草を購入して別のポーション作りに挑戦していた。


私の調合レベルが上がる速さにフィリス師匠は驚いていたが

新たなポーションの作り方を教えてくれたり

まったく新しいポーションを考えたりと

フィリス師匠もそれなりに忙しそうだった。


ポーションには本当に色んな種類があった。


ファイト一発的なものから瘴気も取り除くキュアポーション

HP回復ポーションにMP回復ポーション

そして病気に効くポーションは万病に効く訳じゃ無いので

例えば目に良いとか冷え性に効くとか

漢方薬の様な感じで薬草の効能から作って行く様だった。


ゲームの世界の様に『万能薬』みたいなのは無いのかと

フィリス師匠に聞いてみたら

それを作れたら聖女としての功績は多大だと

すべての聖女がそれを目指し日々研鑽しているのだと教えてくれた。


私以外の聖女様はみなさん凄い人達ばかりなのだと

フィリス師匠の話を聞いて他人事のように感心していた。


そして改めて聖女にならなくて良かったと思っていた。


話を聞いただけでも私には向いていないと分かる

日々研鑽なんて窮屈な生活考えただけで無理だよ

とは口には出さなかったが

じゃぁここの所フィリス師匠が色々していたのは

万能薬を作る研究なのかとひとり納得していた。


かと言って万能薬を作る手伝いなどする気も無く

私は自分の目標であるスキルレベルMAXのためだけに

調合しているのだから目的が違いますねとだけ思っていた。


そうして作っては売りの調合を続ける毎日

ある日私の作るポーションの売値が上がっているのに気づいた。


どうもポーションの性能が上がったのが原因の様だった。


とうとう収支に大きな差が出来て

作れば作っただけ儲けが出る様になっていた。


私はその事実が無性に嬉しくてテンション上げて

どんなポーションが高く売れるのかと

何気に手を変え品を変えと

それはもう色んなポーションを作っては売っていた。


疲れを取り体力を回復させるポーションに

頭痛や腰痛等の痛みを取るのに特化したポーション

痺れを取り除くポーションに眩暈を取り除くポーション

媚薬の効果があると言われるポーションに

夜元気になると言われている強壮剤的ポーション

呼吸を楽にするポーションに熱を下げるポーション等々


薬草畑に出向いては貴重だと言われる薬草にまで手を出し

それはもう色んな種類のポーションを作ってみた。


そしてやはり病気に効くポーションが比較的高く売れる事実を掴んだ。


フィリス師匠にその話をすると

薬師が作る薬やポーションでは病気の完全回復は難しく

進行を遅らせるとか時間をかけて治すとか

そう言うレベルなのに対して

聖女が作るポーションは効果が高く

下手をしたら一発で治してしまう事もあって

お金さえ出せればみんな聖女のポーションを欲しがるのだそうだ。


でも逆に言ったらお金が無いと病気も治せないと言ってるよね

やっぱりこの世界もお金次第なのかと思っていた。


かく言う私も高値で売れると喜んでいる時点で

病気で苦しむ人達の事などまったく考えてもいなかったのだけれど

私が大量に作って大量に出回れば売値市場的に価格が下がり

誰にでも手に入れ易くなるかもしれないと

何となくそんな事を思い始め

調合への熱い思いをちょっとだけ抱いたのだった。



読んでくださりありがとうございます。

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