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逃亡聖女は引き籠もりたい  作者: 橘可憐
第一章 1

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フルーツタルトは美味しそう


地図を広げ他の精霊達がいったい何処に封印されているのか

私は懸命に推測してみた。


例えばウィンディーネが泉に居た様にその精霊の所縁の場所か?


でもこの魔界の森に火山の様な物は無いから

少なくともサラマンダーが居る場所は所縁とは関係ない事になる。


だとしたら他の3体はいったい何処に居るのか、

この広大な魔界の森全部を浄化して回るのは

たとえシルフが一緒でもどう考えても大変だよ。


やっぱり大体の場所が分かりそこを目指せれば気も楽なのだが、

う~ん、どうしようか?


するとシルフが「あっちの方に誰かいるの~」そう言った。


シルフは今まで他の精霊の気配を探ってくれていたらしい。


シルフの指さす方向は今いる場所から北西の方角で

山脈から離れまた森が深くなりそうな場所だった。


「誰がいるか分かるの?」そう聞いてみると


「う~んと、良く分かんない~」と返って来た。


まぁ、シルフを信じて行ってみれば分かる事だ、

私は心を決めシルフの指したその方向に向かって進み始めた。


渡れない川があればシルフが私を飛ばしてくれて

登れない段差や降りられない崖があれば

そこもシルフが軽々と私を飛ばしてくれてと

何の障害も無いかの様にサクサクと森の中を進んで行けた。


そして山脈から離れると恐竜たちは段々と出なくなり

生態系と言うか魔物の種類も変わって行った。


私的には超高額の恐竜の買取価格で

等価交換様の現金表示がガンガン上がる事に慣れていたので

魔物が変わって金額が落ちた事が少しだけショックだった。


それでも虎の魔物などは何十万としていたので

けして安い訳じゃ無いのだけれどもう感覚がね・・・・・


そして相手が恐竜じゃなくなったら

私の範囲浄化もかなり有能に魔物を倒す事が出来ていて

シルフに負担を掛ける事は少なくなっていた。


なので大分気持ち的にも余裕が出来ていて

久しぶりにお取り寄せの贅沢をしたくなった。


理由が無い限りしないと誓ったはずの贅沢を

偶には良いよねと言う感覚だけで注文しようとしていた。


この前のひと房〇万円の葡萄の様な贅沢はしないから

だから良いでしょうと自分に自分でねだっていた。


「今日はお弁当の他に何か美味しい物が食べたい」

私が等価交換様にそう注文すると


「美味しい物ですか?」と返されたので


「シルフも居るからスウィーツかなぁ」と答えると


「クリスマス限定のケーキが色々あります」と勧めてくれた。


元の世界はもうそんな時期なのかぁ


もっともクリスマスと言っても特別なイベントなど私には無く

ここ何年かは家に帰らなかったら

普段と何も変わらない一日を過ごすだけだった。


そんな味気ない事を思い出しても仕方ない、

今日はシルフと思いっきり美味しいケーキ食べて

今を楽しもうそう決めてカタログを捲った。


クリスマス限定だけあって

いつも以上に華やかで美味しそうなケーキが色々あって

選びきれずにいるとシルフがこれが良いと

フルーツがたっぷりと乗ったフルーツタルトのホールを指した。


そんなに大きくないホールとは言え

二人で食べるとなると結構なボリュームだと思うけどまぁ良いか

私は等価交換様にお弁当とフルーツタルトを注文した。


そしていつもの様に半分こに分けて食べ始めると

ウィンディーネが突然目の前に現れた。


「ずるいわ~、私の分もあるのよねぇ」

そう言ってフルーツタルトをねだっている。


突然現れたウィンディーネびっくりして

私はしばらく固まってしまったが

「もう大丈夫なの」とだけ聞いて

私の分のフルーツタルトをウィンディーネにあげた。


するとウィンディーネはシルフを真似て

フォークを使って器用にフルーツタルトを食べ始めた。


精霊たちはスウィーツが好きなんだねとひとり納得して

私は嬉しそうに美味しそうに食べるふたりの姿を眺め満足していた。



読んでくださりありがとうございます。

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