なんか違う
超高級な葡萄を満足するまで食べたシルフはお腹を摩りながら
「ウィンディーネちゃんはまだ寝てるの~」と言った。
「さっき助けたばかりだからね」私がそう言うと
「そうだった、助けてくれてありがとうなの~」
「私こそ無理をさせたみたいでごめんね」そう謝ると
「大丈夫なの~、私もレベルアップしたの~」とそう言う
「レベルアップ?」
「そうなの~、だから嬉しいの~」
シルフがレベルアップすると何が変わるのか聞いてみたかったが
シルフの説明を聞いても私が理解できるか不安だったので
そのうちにこの目で見て確かめれば良いかと突っ込まなかった。
「いっぱい元気が出たからまた一緒なの~」
シルフが私の周りをまたパタパタフワフワと漂い出したので
私は心から安心してそして嬉しくなった。
そしてシルフはこの場所の事を説明してくれた。
「きっとここはウィンディーネちゃんのお家なの~」
「お家?」
「ウィンディーネちゃんはお水を移動できるの~
だからきっとここはウィンディーネちゃんのお家だと思うの~」
やっぱり良く理解できない説明に頭を悩ませたが
「そうなんだね」と相槌を打っておいた。
そして川沿いへと戻り上流を目指してまた前進を始めた。
シルフが戻ったお陰でサクサク進める様になり
私達は何日も掛からずに目的だった湖へと辿り着いた。
辿り着いてみると静かな湖を囲む森と言った感じで
確かに静かではあったがイメージと違ったと言うか
私が求めていた物とは何か全然違う感がハンパなくて
ここに拠点を作るのか?
と、疑問形が浮かんでしまう程だった。
何がどう違うのか上手く説明が出来なかったが、
とにかくそう思ってしまった事で私はどうしようか悩んだ。
ここだったらウィンディーネの居た泉の方が
私の理想に近かった様な感じがする。
しかしあそこもちょっと違った。
私は幻想を追い過ぎているのだろうか?
この世界に来て等価交換様の有能さを知って
誰にも束縛される事無く引き籠り生活を満喫する夢を見過ぎて
私の中のイメージに縛られてしまったのだろうか。
思い出せ、ソーラーパネル付き自家発電のオール電化の家で
浄化槽完備して水道も設置して
誰にも束縛されず誰にも迷惑を掛けず引き籠る生活。
冷蔵庫に食べたい物いっぱい詰め込んで
冷暖房完備した過ごし易い部屋で
好きだったアニメやドラマのDVD購入して観て楽しんで
読みかけの小説の文庫本や漫画本購入して読み耽ったり
お風呂は好きな時間に好きなだけ入って
洗濯は天気の良い日に纏めて洗濯機を回して
生活費が必要なら内職でポーション作って
そうして暮らしていくのが目標だったはず。
その為に必要な静かな水辺を探していたはず。
そして漸く辿り着いたこの場所の何が不満だと言うのか。
日当たりが悪かったら木を切り倒してでも作ると誓った
あの時のあの気力はどうしたんだ?
今ならお金も十分に溜まっているのだから
この場所に納得出来さえすればすぐにでも始められる
それなのに私はいったい何をそんなに迷っているのか。
私はしばらく自分と自問自答を続けたが
答えは見つからなかった。
するとシルフが私に言った。
「ノームちゃんとサラマンダーちゃんとアウラちゃんを助けに行くの~」
「まだ3体いるの?あと2体かと思ってたけど」
「みんなを助けに行くの~」
「分かった分かった、じゃぁ何処に居るのかをまずは考えてからね」
私はシルフにそう返事をして地図を広げた。
そうだ、きっとシルフとの精霊を助ける約束を果たしていないから
だから拠点を作ってゆっくりする生活に拒否反応が出たんだ
多分絶対にそうだろう。
私はひとり納得してシルフと他の精霊を助けに行く事に決めた。
読んでくださりありがとうございます。




