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逃亡聖女は引き籠もりたい  作者: 橘可憐
第一章 1

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32/251

思ったより大変


流石に900万円を超えるあの超巨大な魔物は

そう簡単に何処にでも居る訳では無く残念だった。


もっともその大きさから遠くからでも姿は確認出来るので

見つければ倒しに行ったが、

肉食恐竜の様に群れる事も無く

そこいらじゅうに溢れるほど居る訳でもなかったので

そう簡単に等価交換様の現金表示が上がる事も無かった。


それでも相変わらず川沿いを上流を目指して進んでいると

今度は大きな滝にぶつかった。


幅は15m程で高さはその倍以上は優にありそうな大きな滝で、

垂直に流れる大量の滝の水が

轟音と共に激しい水しぶきをあげていた。


見上げるその雄大さに流石に登りようが無いと考えてえ

何処か回り道を探そうと辺りを見回し地図を広げていると

またもやシルフが「ココを登りたいの~」と聞いてきた。


今度は間違いなく聞いてみる。


「登れるの?」そう内心期待していたのだ、

この前は飛んだという実感も無いまま川を渡ってしまって

とても残念な思いをしていたから

もし、ここを飛んで登ることが出来るなら

今度こそ飛んだと言う実感を十分に感じてみたいと。


「うん、大丈夫だよ~、ちょっとだけじっとしてて~」

そう言うとシルフはまた何かを唱えだして

そして私の体がフワッと浮いた。


昔ブランコを漕いでいて感じた背中がぞわっとする様な

そんな不思議な感覚を感じて少しこそばゆかったが、

今度は努めてリラックスして

その後の飛んでると言う浮遊感を楽しんだ。


しかし考えてみたら私を持ち上げ続けるのは大変らしく

私が考えていたよりずっとそのスピードは遅く

高さが30m以上あるので途中で大丈夫かと

シルフの事が少し心配になってしまったが

ここで力尽きて落とされる事など無いとシルフを信じ見守った。


当のシルフはかなり力を入れて頑張っている様なので

やっぱり思った以上に力を使っているのだと伝わり

私は余計な事は言わず心の中で応援していた。


大分時間が掛かったようにも思ったが

無事に滝の上へと辿り着いたので私は即座にお礼を言った。


「凄く助かっちゃった、本当にありがとう」


するとシルフは地面にへたり込む様にして

「なんだか疲れちゃった~」と言った。


「大丈夫なの?」私が心配してそう聞くと


「大丈夫だけどぉ、少しだけ休ませてぇ~」

シルフはそう言うと私の中へと入ってしまった。


かなり無理をさせてしまった様だった。


考えてみれば私をこの高さまで運ぶなんてとんでもない事を

また飛べるんだ位に簡単に考えて

そして安易に頼んでしまった事を深く反省した。


このまままた長く眠る事になったりはしないかと

かなり心配になったが今はどうしようもない。


次にシルフが起き出して来たら

絶対に美味しい物をご馳走してあげようそう心に決めて

私は久しぶりにひとりで魔界の森を進む事になってしまった。



読んでくださりありがとうございます。

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