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逃亡聖女は引き籠もりたい  作者: 橘可憐
第一章 1

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逃げる様に


夜明け前に目が覚めて決意した

やはりこのままこの人達と別れようと。


昨夜の様な別れの挨拶を再度するのも気恥ずかしかったし

早く体をスッキリ綺麗にしたかったのだ。


サマサさんに拾われレナ先生に魔法を教わり

グロシアートの情報も少し耳に入り

この出会いはきっと必然だったのだろうけれど

この世界の不便さには我慢が出来なかった。


もう何日も体を拭いていないし着替えもしていないので

体中ベタベタした感じが気持ち悪くて仕方ない。


どうしてみんな我慢が出来るのか不思議でたまらない。


それに食事もパンとスープだけなのもすでに我慢の限界だった。


私は気付かれない様にそっと荷馬車から離れしばらく進み

魔界の森を目指し駆け出していた。


少しでも遠くに離れ何か物陰になる所を探して走った。


すると程なくしてまたまた森を見つけ

私は迷う事無くその森へと飛び込んで行った。


森に入り辺りを良く確認してから

体中をドライシートで綺麗さっぱりとさせて着替え

久しぶりにお弁当を購入した。


食べたいものは山ほどあったがなぜかサンドイッチを購入した。


レタスとハムとチーズを挟んだものとフルーツサンドの2種類

そして飲み物は美味しいミルクティーを選んだ。


ゆっくりしっかり堪能して少し休んでから森の中を進み始める。


街道沿いで魔物を見かける事は無かったのに

森に入った途端に魔物が現れ出した事を考えると

街道沿は浄化されているのかも知れないと思った。


そうしてみると先代の聖女様は彼方此方を浄化して回り

結界を張って歩き怪我人の回復したりと

随分と激務だったのじゃないかと推測される。


それなのにこの国は大事にする所か物扱いも同然なんて

やっぱりどうしても許せない。


他の国の聖女様達はどうなのだろう

その辺も少しサマサさん聞いておけば良かったかもしれない

そんな風に思っていた。


そうして魔物に出会える様にはなったけれど

最初の森と何の代り映えも無くお高そうな魔物にも出会えず

これはもう一刻も早く狂暴な魔物が多いと言う

魔界の森に期待するしかないとサクサク浄化して歩いた。


そしてしばらくして気付く

私ってばさっきからかなり簡単に魔物を浄化させてるよね?


威力が上がったと言うより魔力が濃くなったと言う感じ。


今まで薄い魔力で無理無理浄化してたのを

今は濃い魔力で浄化の本来の威力を発揮していると言う様な

そんな感覚でサクサク浄化出来ていた。


本当に魔力の循環は大事だった、魔力の練り込みも効果があった。


今更ながらまたまたサマサさん達との出会いに感謝していた。


あのまま一人で悶々と練習を積んでいたら

どんな結果になったのかを考えただけで恐ろしい

きっと魔界の森に挑むなんて本当に無謀な話だっただろう。


しかし今なら少しは期待が持てると言うか

何とかなりそうなそんな自信も付いた気もしていた。


魔界の森近くまで馬車で1日なら歩きでも3日は掛からないだろう

そう頭の中で予測して森を進み水辺を見つけ私は久しぶりに洗濯をした。


洗濯ものをかなり溜め込んでいたので洗濯板とタライも買って

天気が良いのも手伝って思う存分全部を洗った。


かなり腰が痛くなったが服の汚れを綺麗に落とした事で

心の汚れと言うか溜まっていた物もスッキリと落とせて

久しぶりに気分は爽快だった。


到着予定は遅れてしまうかもしれないが

洗濯物が乾くのを待つ間この場でゆっくりする事に決めて

まだ目を通していなかった薬草の書と調合の書も読む事にした。


きっとコレも独学で読んだだけでは間違うかもしれないが

取り敢えずは読んでおいても良いだろうとそう思った。


折角森の中を歩くのに薬草があっても見過ごしていたら勿体ない

そんな考えがふと脳裏を横切ったからだ。


そうして私はまず薬草の勉強を始めたのだった。



読んでくださりありがとうございます。

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