呪いと対峙
飯を食べて満足したのはいいんだがどうしたものか。
部屋に戻りベッドの上で考えに耽ってはいるものの霊への対抗策が思いつかない。
「なぁ、ルナ。仮に霊がいたとしてだ。それに対抗できる魔法は存在するのか?」
「ある。でも光魔法で中級魔法に位置するものだったと思う。」
「あーそれじゃあ今の俺じゃ無理だな。」
俺が人間の姿で使える魔法は全属性だが、その中身は初級魔法ばかりだ。
そんでもって俺の光魔法で出来るのは今の所照らすくらいだ。あと良くて光熱がちょっと熱いくらい。
対策を練っても俺もルナも最初から期待していなかったゲルもいい案が浮かばなかった。
というかゲル寝てやがる。
それでも時間は待ってくれない訳で、夜は更け、ルナもうつらうつらと舟をこぎ始めた。
「ルナ、寝てもいいぞ?」
「ん、トーヤが起きてるなら起きてる。」
そんなこと言われてもな、うとうとしたり起きたりの繰り返しをずっと見ていたらさっさと寝ろとも思ってしまう訳で。
とか考えてたら寝てくれました。俺の膝を枕にして眠りましたよこの子。
いや、構わないんだけどさ。
しかし、時間が経つにつれ段々と空気が重くなっている気がする。
もしかしてこれ来ちゃうのか、来ちゃう流れなのか。
慎重にルナから膝を救出し、代わりに枕を差し込んでおく。よし、これで完璧。
「さって出て来いよ。呪いだか霊だか除霊してやるぞ。」
なんて言ったが、もちろんルナが起きないように声量は抑えている。
しかしその声に反応してか部屋のあらゆる暗い場所から靄のようなものが漏れ、次々と一か所に集まってきた。
「ふぁいうfywryんうぇkjうぇyわえjか」
人型となったそれ……呪いは訳も分からないような声と呼んでもいいのか分からない音を吐き出した。
先手必勝、何かしでかす前にとりあえず殴っては見た。
「うっわ、手ごたえ無いなぁ。」
まるで煙を殴った気分だ。暖簾に腕押しとはこのことか!?……いや、違うか。
「dなおwんmしみらw、ちぇrl。mわhr。wc!!」
お返しとばかりに呪いが腕に値する部分を鎌状に変化させ斬りかかってきた。
さっき俺の攻撃をすり抜けたのにそっちの攻撃が当たるものなのかと思いながら避けたがアカン、鎌が床に刺さった。
何でそっちからは物理攻撃当たるんだよ!
ここで闘うとルナを起こしかねないし、呪いの奴は俺しか見ていないようだ。
ならば闘う場所を変えさせてもらう!俺は光源を使って奴を挑発。廊下へと逃げ込んだ。
「ふぁdじょうぇrじゃkdjlvfじあwjvj」
お、呪いは挑発に乗ってくれたようだな、重畳重畳。
とは言ったものの、本当にどう戦えばいいんだコイツ?
呪い……呪い……
奴の連撃は続くが躱せない攻撃じゃない。でもたまにフェイント絡めてくるから面倒くさい。こいつ本当に呪いという存在なのか!?
呪い……呪いと言えば……妖怪。
妖怪?妖怪と言えばあの動物が思い当たる……試しに変態してみるか。
俺は"変態"を発動させある動物に変化する。
その動物とは




