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第二十一話:Gカップ

夏休みが始まって二週間、一週間という期限付きのバイトも、凛の姉にベタ惚れされたのを除けば、つつがなく終えることができた。


 今は四人でどこに旅行に行くか話し合っている真っ只中。

わしはというと、異国に行ってみたい、と呟いたら割と強めに晴に叩かれたので、何も言わずに話を眺めておる。女子、怖い…。


 どうやらこの世界では、元服は18歳になると一斉に行うらしい。しかも、幼名から仮名、諱を与えられて名が変わることもないとか、随分仕組みも変わっておるものだ。

 なので、元服前のわしらの年頃のものが、親を伴わずに旅をすると色々と厄介になることもあるようで、慎重に話し合っておる。



「桜華は、どこかいきたいところとかある?」

わしがダンマリしているのを見かねたのか、椿が話をふってきた。


「この辺りは栄えておるからな、逆に田舎の方に行くのはどうじゃ。人も少なく涼しげなところ

 がいいな」

「あ、じゃあいっそ東北まで行っちゃう?」


 東北…。陸奥国の方か、確かに北の方は行ったこともないし良いかもしれん。


「よし、決まりじゃ!北へ登ろう、晴、いい感じの食い物や温泉を探しておけ!」

「はいはい…、お殿様」


 思えば初の遠出、胸が高鳴るわい。


*****



 その後数日で、わしらは話し合って行き先や宿に目星をつけた、と言ってもわしの勝手気ままな提案に合うものを3人が探し出す、というものだったが。


 話し合いの結果、『新幹線』とやらで青森、つまりは陸奥の上の方まで行くこととなった。

仙台で牛タン(?)がー、とか山形の温泉がーとか言っておったが、さっぱりわからん。

昔の国名で話してほしいわい。

 そして出発は8月の18日。帰省ラッシュとやらがひと段落つくあたりで、移動にかかる金も

少し安くなり始める頃らしい。



 

そして今はというと、出発の日のちょうど10日前。ということで、それに備えてわしらは今買い物に来ていた。

女子の遠出は物入り用、これは四百年たっても変わらんようだ。


「あとは…、下着か。いい機会だし新しいの買おうかな。みんなは?」

「あたしはいいかな、こないだ姉貴がくれたし」

「私も買っておこうかな。なんでか桜華ちゃんのせいで下着ボロボロになってるし…。

 あ、これを機に桜華ちゃんも買おうよ。下着、ね!」


 下着…、(ふんどし)でいいというのに、なぜあんなめんどくさいものを。

しかしいらないと言い出せる雰囲気でもなく、強引に引きずられる形で店まで連れてこられた。

店に着くや、これが可愛い、これは攻めているだのと盛り上がる3人。早くしてほしいのだが…。

手持ち無沙汰なので、暇つぶしに飾ってあった『盛れるブラ』なるものを眺めていると、凛がやってきて、


「ね、桜華って何カップ?」

と聞いてきた。カップ…?なんじゃそれは。


「知らん」

そう答えると、凛は腕を組んでわしの胸を一瞥し


「…こりゃE、いやFはありそうだな…」

と言ってわしの腕を引っ張りどこかへ連れて行かれた。




「ということで、店員さんに測ってもらおうの会〜」

連れてこられたのは人一人分の個室。なるほど…、乳の大きさの話だったのか。


「じゃ、店員さんお願いしまーす!」

なぜ、椿も凛もこんなに楽しそうなのか、よくわからんが…。

 言われるがままに服を脱ぎ、採寸が始まる。最初はニコニコとしていた店員も、次第に真顔になり、最後は妖怪でも見るような顔になっていった。


「店員さん、何カップでしたー?」

と暖簾の向こうから椿が聞いてきた。


「…ジ、Gです」

爺?わしの乳は草臥(くたび)れているとでもいうのか、こいつは。

しかしどうやらそうではなかったようだ。


「G!?」

血相を変えて3人が中を覗き込んできた。そしてわしの裸を見るなり頬を真っ赤にして

「うわーーーー、こりゃ殺人級だあ…」

と言い出した。椿に至っては鼻血まで流す始末であった。



「店員さん、この爆弾を包み隠せるブラ、ください!」

 凛がそういうと、店の者は目の色を変えて飛び出していき二つ三つばかり下着を持ってきた。


「これなんかは形を保ちつつも圧迫感がなくて!逆にこっちは少しーー」

と、熱弁されても何が何だかわからぬわ、乳の形など気にしたこともない。


結局、晴達3人の進言を元に二つほど下着を買った。高い…、ぼったくられているのではないかと思うほど高いな、この世界の下着は…。


 まあいい、これで旅の下準備は整った!あとはその日を待つのみー






 




ptが増えると、やる気も爆上がりしますので、是非評価やブクマの方もお願いします!

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