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「あれ、君、梶谷君?」
呆然としてから、急に後ろから声をかけられた。
「あ〜、例の転校生の〜」
「は・・・あ、はい」
振り返ると、全く雰囲気が逆の男女がいた。
「いや、さっき佐崎が言ってたんでね。僕は生徒会特別役員である執行部の企画で田口直也」
「私は如月まゆ。執行部・・・って分かるかな?生徒会の役員の会長とか副会長とかそのあたりのものなんだけど、私は書記やってまぁ〜す」
男子のほうは、なんだかすごくまじめそうで、いかにも秀才って感じの人・・・田口君・・・だったかな?
女子の・・・如月さんは、すごくおっとりしていて、何か単語にと「〜」がつく感じのしゃべり方をする。
できるだけ人とかかわりあいたくないのに、何故こんなに有名になってしまっているんだ?
それにしても、僕は妙に生徒会役員に縁がある。
あ・・・そういえば・・・
「あのさ・・・佐崎君どこに行ったか知らない?」
「佐崎?あっちの生徒会室にいたけど・・・なんで?」
「いや、学校案内してもらってて・・・どこか行っちゃって・・・」
「はは、やっぱり裕介君はだめだねぇ〜」
田口君は、僕を生徒会室まで案内してくれた。
「ところで、君、数学得意なんだってね」
「へ?あ、まぁ・・・」
「へぇ〜」
な・・・なんだ?
さっきから数学数学って・・・?
「あ、瀬斗、どこ行ってたんだよぉ、心配したのよぉ」
生徒会室に入るなり、佐崎君が詰め寄ってきた。
「はい?」
僕は「は」と「い」という短い言葉だけど、言葉の中に三つの疑問を入れた。
疑問1:僕を置いていった佐崎君が何故「どこに行っていたのか」を聞いているのか
疑問2:何故、よくいそうなお母さん口調になっているのか
最大の疑問:今日知り合ったばっかりの僕の名前、何で呼び捨てになっているのか
「で、君にお願いがあるんだけど」
僕の疑問に全く気づいていない佐崎君が続ける。
「お願い?」
いやな予感がした。
そして、いやな予感は当たった。
「君に、生徒会役員になってほしいんだ」
「は?」




