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学校と僕。  作者: 奏良
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「ここは美術部。となりは美術部の部室だよ」

「へぇ・・・」

僕は佐崎君が丁寧に教えてくれる部屋を頭の中に入れて歩く。

「僕は部活には入っていないんだけど・・・梶谷君、何か入る気ある?」

「いや、別に・・・まだ分からないし、今更はいっても足手まといじゃないかな」

「でも、梶谷君は運動得意そうだから、運動部入っても余裕じゃない?」

「体育はそんなに得意じゃないんだ」

「得意教科は?数学とか?」

「まぁ・・・数学は一番得意だろうね」

「へぇ・・・」

そこで会話が途切れる。

佐崎君は何か考えながら僕の前を歩いた。

僕よりずいぶん背の高い佐崎君。

なんだか、自分の背が縮んでしまったような気分になる。

「あ、こら裕介!」

突然鋭い声が佐崎君に向けてかけられた。

「げ・・・筑紫・・・」

佐崎君があからさまに顔をしかめた。

振り返ると、黒い髪を短くした気の強そうな少女がこっちに向かって大またで歩いてきている。

「あんたねぇ、生徒会の仕事サボってなにやってんの?」

「何って・・・学校案内」

「は?誰に」

「梶谷君」

「カジタニ?」

気の強そうな少女はこっちを見た。

「そうだ梶谷君、こいつ中田筑紫(なかたつくし)。副生徒会長。で、こっちは梶谷瀬斗君」

「あぁ、例の転校生くん」

中田さんは、そういうと僕のほうを見た。

「よろしくね」

「あ・・・あぁ、どうも」

僕はとっさのことでうまく返せなかった。

「梶谷君は数学得意なんだって」

「へぇ、数学・・・いいじゃない」

何がいいのか、中田さんの顔が輝く。

「お、筑紫もそう思う?」

「なかなかよさそうな人だし、いいと思うけど」

僕を差し置いて、二人の会話は続く。

全く理解できない。

「で、役員がたりてないじゃない?」

「そうそう、そこで・・・」

そして、二人は僕を置いて歩いていってしまった。

僕は、ここがどこかも分からぬまま、一人たたずんでいた。

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