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学校と僕。  作者: 奏良
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僕は出来るだけ人とかかわりあいたくなかった。

またどんどん自分が分からなくなっていきそうで怖かったから。

だけど、そんな心境の僕にはお構いなしで放課後には部活前のクラスメイトが押しかけてきた。

「ねぇねぇ、梶谷くんってかっこいいよね〜」

「得意科目とかあんの?」

「私、近藤って言うんだけど・・・」

誰が何を言っているのか全く分からない。

僕は他人との間に壁を作りたいのと、動揺しているのとで机を取り囲んでいるクラスメイトをただ見ていた。

「ほらほら、梶谷君も困ってるから、どいてあげなよ〜」

後ろのほうで気楽な声が聞こえてくる。

「あ、僕は佐崎裕介(ささきゆうすけ)。世代交代で、一応最近から僕が生徒会長だから、よろしくね」

佐崎君・・・がクラスメイトの間をかいくぐって僕に手を差し出してきた。

「あ・・・あぁ、よろしく」

僕はその手に少し触れた。暖かくて大きな手が、僕の小さな手をぎゅっと握る。

「あ、佐崎!あんたずるい!」

「ホント、何ボディタッチしてんのよ!」

そこらへんにいた女子に叩かれている佐崎君。

「お前、そんなことしてないで、あいてる会計の役はやく決めろよ・・・」

近くにいた男子が佐崎君の肩をたたいた。

「だって、転校生が我2−3に来てくれたんだから、挨拶はしなきゃだめだろ。生徒会長だし」

「生徒会長生徒会長って・・・先月当選したばかりじゃないか」

「先月当選したんだから、生徒会長だ!」

佐崎君はそう言い張って、胸を張っていた。

僕はおかしくなってくすりと笑った。

こんなふうに自然と笑えたのは久しぶりだな。

そう感じて、佐崎君を見た。

「そうだ・・・学校案内してあげるよ!」

佐崎君が思いついたように言った。

「あ・・・あぁ、よろしく頼むよ、佐崎君」

「うん!」

佐崎君はうれしそうに僕を見た。

助かった・・・これで話の相手は佐崎君だけになる。

出来るだけ人とかかわりあいたくない。

「って、何で佐崎ばっか名前覚えられてんだよ!」

「ホント、でしゃばるんだから」

背中に佐崎君に対する文句を聞きながら、僕は佐崎君の後について教室を出た。

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