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その次の日、父さんと母さんの葬儀が行われた。
僕は涙を流し続ける妹のとなりに静かに座っていた。
「・・・父さん、母さん・・・」
何も言えず、僕は黙って下を向いていた。
「あんたのせいよ・・・」
妹は急に言った。
「あんたのせいで父さんと母さんが死んじゃったのよ!あんたのせいよ!」
僕を指差して、泣き喚く妹。僕は反論することも出来ず、ただうつむいていた。
「馬鹿瀬斗!お前なんか死んじゃえ!」
そういう妹が親戚の大人たちに抑えられる。
「はなしてよー!馬鹿馬鹿馬鹿!」
そう叫ぶ妹の声が段々遠のいていく。
「・・・」
会場がよりいっそうしんとなった。
「君たちを引き取る話なんだけどね」
葬式の後、親戚のおじさんが僕に言ってきた。
黒い服を着た、どこかの会社の社長さんだったと思う。
「僕が君たち二人を引き取りたいんだけど・・・泰葉ちゃんと喧嘩でもしたの?でも、仲直りしてもらえれば・・・」
「仲直りなんて、出来ませんよ」
「え?」
「両親が死んだのは僕のせいだって、僕も妹も思っている。だから、仲直りなんて出来ません」
「でも・・・あれは事故死だろう?」
「それでも妹が僕のせいだと思っている限り、僕らは一緒にいられません」
「じゃあ・・・一人で住むとでも言うのかい?」
「出来るのならば」
「・・・」
わがままを言っているのかもしれない。でも、僕らは一緒にいられない。
「わかったよ、その代わり、何かあったら絶対連絡するんだよ?」
口調は優しげだが、おじさんの目は笑っていなかった。
・・・また人と壁を作ってしまった。
それからおじさんはアパートや民生委員の人たちに忙しそうに連絡し始めた。
悪いと思っているのだが、ごめんなさいという言葉は口に出せなかった。




