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「さぁ、レクは明日よ!気合入れて最終確認!」
中田が資料を丸めて振りかざす。
佐崎が「おー!」と言うかの様ににかっと笑った。
僕が退院してから一週間半。
無理はしていないものの、ずいぶんと大変な日が続いた。
でも、みんなが笑顔になれるように、そう思ったら、不思議と頑張れる。
あれから、時々泰葉が僕の部屋に遊びに来るようになった。
そして、泰葉にも笑顔が戻ってきた。
久しぶりに見た妹の笑顔に、僕はすごくうれしかった。
でも・・・
「ねぇねぇ、泰葉ちゃん元気?」
「・・・あぁ・・・」
・・・佐崎が泰葉の笑顔に惚れてしまった。
始めてあったあの夜は泰葉も精神的に不安定だったし、佐崎も怒ってたしで、良く顔を確認してなかったらしいが、あの後、佐崎と泰葉が同時に部屋に来てしまったときがあって、そのときに・・・らしい。
全く。あの夜の佐崎はかっこよかったのに。
すごくまじめな顔して、僕のこと助けてくれてたのに。
僕はへらへらとした佐崎の表情を見た。
でも・・・こっちの佐崎もいいかもな。
自然とそう思えた。
さて、一方の田口だが・・・
僕が入院している間に、江桜以外の執行部全員にばれてしまったらしく、みんなが田口を冷やかしている。
僕は輪投げの輪を作りながら田口を見た。
あの、超まじめな田口が・・・江桜を。
「ホント、意外だったわ」
まるで僕の心を見透かしたように中田が言う。
「あぁ。でも・・・なんかお似合いかもな」
「えぇ」
僕が答えると、中田も楽しそうに笑った。
中田には、他校の彼氏がいる。
どうやら、すごくうまくいってるらしい。
中田の笑顔を見て、僕もすごくうれしかった。
その後ろでは如月と和倉が二人で楽しそうにクイズの答案用紙を作っている。
「愛の共同作業ね!」
振り返ると、中田がいたはず場所に江桜がいる。
「愛って・・・そういえば、お前にはそういう人とかいないのか?」
「ん?うーん・・・」
僕はどさくさにまぎれて聞いた。
「ちょっと気になる人はいるかな?」
江桜は恥ずかしそうに小声で言った。
「そっか」
そう言いながら田口を見た。
僕のことをうらやましげに見つめている。
そんなふうに見てくるなら、声かければいいのに。
僕はそう思って、くすりと笑った。




